毎年秋はスマートフォンの新製品の季節、ということで、今年もiPhoneおよびPixelの新モデルが登場しました。どちらも従来モデルの順当なアップデートにあたる内容ですが、スマホの価格は近年高騰しており、フラッグシップモデルに至っては20万円近い予算を見積もらざるを得なくなりつつあります。それだけに製品選びもまた、従来より慎重にならざるを得ません。
今回は、もともとiPhoneユーザなのかAndroidユーザなのかという縛りは外し、自分に合ったスマホをフラットな視点で探し求めるユーザの視点で、両社のフラッグシップモデルである「iPhone 16 Pro Max」および「Pixel 9 Pro XL」について、実際に使って初めてわかる違い、さらに今後のアップデートの展望について見ていきます。
その1:見やすさと持ちやすさ、使いやすさは?
まずは基本的な見やすさと持ちやすさから。画面サイズはiPhoneの6.9型に対して、Pixelは6.8型とほぼ同じ。解像度も460ppiと486ppiということで、どちらも最高峰と言っていいレベルです。強いて挙げればピーク時の輝度が、Pixelのほうが若干明るい程度です。
さらにボディサイズの差も最大1mm程度しかなく、ほぼイーブン。これに加えて重量も6gしか変わらなかったりと、手にとっても違いはまったく感じません。見やすさおよび持ちやすさについては、差を考慮する必要はなさそうです。
このほかポートは両者ともにUSB Type-Cだったり、ワイヤレス充電に対応していたり、防水防塵がIP68対応だったりと、両者ともにお互いのいいとこ取りといっていい共通点が目立ちますが、大きく異なるのはセキュリティ面です。
iPhoneが顔認証にしか対応しないのに対し、Pixelは顔認証と指紋認証の両方に対応しており、どちらで解除しているのか分からないほど、シームレスにロックを解除できます。マスクをしていると認証に失敗しがちなiPhoneと違い、ロック解除にまつわるストレスはほとんどありません。この点だけは、Pixelに明確な分があると言っていいでしょう。
2024.11.07(木)
文=山口真弘