この記事の連載

いま、最も注目している新人作家とその作品は?

◆『遠い日の陽』『富めるひと』ともに横谷加奈子/講談社 ※単行本未発売。コミックDAYSで配信中。

 『遠い日の陽』は、写真売買から始まる、令和的奇譚。「モーニング月例賞2023年9月期」入選受賞作。『富めるひと』は、9歳のときに宝くじに救われた主人公の10年後を描く、お金と友情と労働の物語。

「横谷さんの作品に漂う淋しさと孤独は、甘さを伴っている。心細い人間が生きている世界は道や建物、景色さえ淋しく、また愛しいものであると伝わってくる。そんな中、独特な設定で描かれる他者とのつながりには、めでたしではない本当の救いがある気がする。そして結局は、いつまでも横谷作品の淋しさの中にいたくなってしまうのだ」

マンガ家
鶴谷香央理(つるたに・かおり)さん

「おおきな台所」でデビューし、第52回ちばてつや賞準大賞を受賞。『メタモルフォーゼの縁側』(KADOKAWA)でも多くの賞を受賞。

発表! CREA夜ふかしマンガ大賞2024

眠りにつく前のひとときに、日中のあれこれを忘れさせ、新しい世界に連れ出してくれる力のあるマンガを称える「CREA夜ふかしマンガ大賞」。昨年からはじまった一般読者による投票を一次選考として、200作品以上が候補にあがるなか、2024年のナンバーワンが決定しました。

» 今年の大賞は『じゃあ、あんたが作ってみろよ』
» ベスト10発表!(特設サイト)
» 選考委員31名の愛読マンガまとめ

次の話を読む小説家・深緑野分さんの「いま人に薦めたい愛読マンガ」5冊「1巻ながら作者の最高傑作となる予感」

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