五味 「犬もあるけど、漫才もコントもやるんです」みたいな。

中村 だけど今は「あなたたちのグループに入れてください!」っていう感じです。

五味 「すいません」といって入り込んでます。

もし怪我してなかったら、漫才やコントに未練があったかもしれない

——その考えにいたったのはなぜですか?

五味 僕が去年右腕を大怪我しまして。本当にネタも何もできない状態になっちゃったんです。コント、漫才、もちろん犬もできない状態に。それもあって今までできなかったSNSを頑張ろうと。ありがたいことにSNSの反応も大きくなって、「もうこれやれる範囲でやっちゃおうか」っていうのが大きなきっかけではありました。

中村 TikTokの動画をさかのぼっていただくと分かるんですけど、五味君は動かなくていい役回りか、半分以上は僕がピンの動物ネタを毎日上げてました。五味君が怪我したことが犬のネタを極めることになった大きな要因かもしれないです。

五味 まあ、いいきっかけだったかもしれないね。

中村 そうだね。もし怪我してなかったら、いまだに……。

五味 まだこじらせてたかもしれない。「いや、漫才、コント」って。

中村 「僕らはスギちゃんとは違うんだ」って(笑)。

五味 あと年齢もあります。芸歴が浅かったら終わってました。「ふざけんなよ! なんで怪我するんだよ」「しょうがねえだろ」って、バトって終わってましたよ、きっと。

中村 そうだね。

 

「お前はお笑い界のベートーヴェンになれ」

五味 それこそ一時期プチブレイクして、次世代芸人みたいに言われてた時期もあったんですよ。もちろんダメで、その時もいろいろ経験して。思い描いているようにはいかないから、今この目の前にあるものを取りあえずやっていこうと、2人ともそういう気持ちになっていた。どんな状況でも、今目の前のことをやるしかないという感じはあったかもしれないですね。

——かっこいい。

五味 かっこよくはないですよ(笑)。

2024.08.28(水)
文=西澤 千央