有働 やっぱり天職だ。もう体に染み付いているんでしょうね。

 広末 何でしょう。やっぱり好きなんだとは思います。

 有働 いっそう「自分らしく」できる仕事環境になりましたか。

 広末 今までも凄くありがたい環境でしたが、そう思います。独立した時、20年来のお付き合いになる長男の同級生の親御さん夫婦とお会いしたんです。ママの方は私の今の状況を心配してくれたのですが、パパには「でもよかったじゃん、商品じゃなくなったんだから」と言われてハッとしました。女優である私が、商品に見えていたんですね。

 有働 なるほど。彼にとっては、目の前にいる一人の母親と、女優・広末涼子が……。

 広末 恐らく別人のように見えていたのだろうと思います。今後はブランディングに力を入れることに囚われ過ぎず、自分の仕事のやり方を見出していきたいと思いました。

 このほか広末氏は、彼女をいま支えてくれている人たちへの思い、明かせなかった10代の頃のいやがらせ被害、今後の映画・ライブの予定などについて、約120分にわたって語った。

 広末氏と有働氏の対談全文は、「文藝春秋 電子版」(現在公開中)と「文藝春秋」9月号(8月9日発売)に掲載されている。

2024.08.29(木)