《東京は今年一番の暑さ》熱中症になっても「すぐに水を飲んではいけない」理由とは…? プロが教える正しい対策3選〉から続く

 大切なのは「水分補給」「冷却」「暑熱順化」「感覚的な冷却」の4つのキホン――うだるような暑い日が続く今こそ知っておきたい「4つの猛暑対策」を紹介。筑波大学准教授で運動生理学的研究の専門家である藤井直人氏の新刊『猛暑対策BOOK:日本のヤバい夏を最新科学の力で乗り切る!』(小学館)より一部抜粋してお届けする。(全3回の3回目/最初から読む

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猛暑対策の4つのキホン!

 暑さによって、カラダがどのように反応しているのか、ざっと理解したところで、猛暑の夏をできるだけ「ラクに、快適に、安全に」過ごすため、本書では4つの基本的なアプローチによる具体的な対策を提案していきます。

 暑熱下での日常を暮らしやすくし、熱中症を予防するためには、脱水リスクを下げ、カラダを冷やし、暑さへの耐性を向上させるのが基本であり、これらを「水分補給」「冷却」「暑熱順化」「感覚的な冷却」という「4つのキホン」で対策していきます。

【猛暑対策のキホン その1「水分を補給する」】

 水分補給が必要かの目安として「WUT」があります。のどの渇きだけに頼っていると、うまく水分補給できないこともあるので、尿の色や体重も参考にすることで、必要なときに必要な飲水を実施しやすくなります。

【猛暑対策のキホン その2「体温を下げる(冷却)」】

 深部体温を下げる(上げすぎない)ことが、暑熱対策で最も重要となります。冷水にカラダを浸けることで、効果的に深部体温を下げることができます。また、涼しい場所で休憩するなど状況に応じた対応も大事です。

【猛暑対策のキホン その3「暑さに慣らす(暑熱順化)」】

 自らのカラダの機能を向上させ、暑熱耐性を上げる暑熱順化も極めて有効な手段です。無理のない範囲で暑熱下での運動をしたり、温浴やサウナを利用したり、自発的な訓練によって暑さにカラダを慣らします。

【猛暑対策のキホン その4「感覚的に冷やす」】

 カラダに冷水やメントールをかけると、皮膚温は変化しないものの、冷感をもたらします。ただし、メントールは体温調節を抑制する働きもあるので、暑熱下における長時間運動・労働での使用には注意が必要です。

猛暑対策BOOK: 日本のヤバい夏を最新科学の力で乗り切る!

定価 1,430円(税込)
小学館
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2024.08.02(金)
文=藤井 直人