![雲のじゅうたんのような雲海を間近に望む。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/2/7/-/img_274b3f2eaf3d2677ab7713801a88842b66583.jpg)
週末に、心が洗われる別世界へ出かけてみるのはいかが。少し車を走らせれば、そこにはおもてなしの心に満ちた極上の宿が待っている。
旅行作家の野添ちかこさんが、1泊2日の週末ラグジュアリー旅を体験。今回は長野県・湯田中温泉の「松籟(しょうらい)荘」へ。そこから車で約20分の場所にある、雲海を望む絶景スポット「SORA terrace」に立ち寄った。
ロープウェイに乗って、夏でも涼しい雲上の楽園へ
![山頂駅をめざして、いざロープウェイに乗り込む。山麓駅には駐車場も完備。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/5/0/-/img_501837689910474777e075dbbe40f983185619.jpg)
標高1,770メートル。緑の山々が目の前に広がる。ここは、「SORA terrace」。
冬季には、パウダースノーでスキーやスノーボードが楽しめる「竜王スキーパーク」として営業する「竜王マウンテンリゾート」の一角だ。グリーンシーズンは幻想的な雲海や夕日を眺められる絶景スポットとして人気である。
ロープウェイは166人乗り、20畳ほどの大きさで、10分も乗っていれば、ロープウェイ山頂駅に到着する。途中、左手にはグランピング施設のドーム型テントが見えて、このエリアに宿泊している人がいることを知る。
山頂駅に到着すると、目の前に高社(こうしゃ)山、その奥に斑尾山と妙高山、左手には黒姫山、戸隠山、飯綱山と北信五岳の山々が見渡せる。
斑尾山と妙高山、高社山の3つの山が重なって見えるのが、竜王ならではの景観だという。
![訪れた日はロープウェイ山頂駅からこんな景色が見えた。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/6/4/-/img_643bcc8450ca27edaa3789577198cd0a108911.jpg)
夏場でも、20度を超えることがない高原の気候。山麓駅と山頂駅では標高差は800メートルあって、温度も5度くらい違うから、下界がどんなに暑くとも山の上は涼しくて、避暑には最高の環境である。
SORA terraceの開業は平成27(2015)年8月。2023年は4月末~11月上旬までのシーズン中に、7万人もの人が訪れた人気の映えスポットである。
緑の山を眺めたり、山上のハーブガーデンを散策したり、カフェでまったりしたり。過ごし方は人それぞれだが、「雲海」が出やすい時間や日を狙って訪れる人が多いという。
雲海は空気の澄んでいる冬季に発生しそうなイメージだが、意外なことに、夕立が降り、昼と夜の寒暖差が大きい夏が、雲海が最も発生しやすいシーズンだという。
![もくもくしていたり、滝壺のように見えたり、雲海の形は千変万化。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/2/-/img_e25b2de17e6572e0254dc44bf14d8ae6105368.jpg)
グリーンシーズンに絶景スポットとなるスキー場は全国にたくさんあるが、どこでも雲海が出るわけではない。
竜王マウンテンパークは周囲を山々に囲まれた盆地にあり、日本海からの湿った風が山にぶつかり、逃げ場がなくなった水蒸気が雲となって留まる地形。そのため、天候状況によっては一日中、雲海が出るときもあるのだとか。
晴れていれば出るというわけでもなく、訪れた5月某日はあいにく雲海は出ていなかった。雲海が発生しやすい条件は下記の通りである。
1.山麓の気温が下がる朝や夕方の時間帯
2.山頂に雲や霧がかかっているとき
3.夕立など急な雨が降ったとき
4.日中と夜間の気温差が大きいとき
5.霧の中でも空に日差しが見えたとき
そんな時間や日を狙って訪れ、非日常を味わってみてほしい。
2024.06.08(土)
文・撮影=野添ちかこ