この記事の連載

“映えスポット”の宝庫! ディープなアートの世界に陶酔できる黄金町エリア

 足を延ばして黄金町エリアへ。黄金町バザールは、アートとコミュニティの関係、アジアの交流をテーマに2008年より開催しているアートフェスティバルです。15回目を迎える「黄金町バザール2024 —世界のすべてがアートでできているわけではない」は、黄金町に関わりのあるアーティストをはじめ、アジアやこれまで交流のなかった地域のアーティストを招きました。黄金町バザールのマップを片手に黄金町バザールのアートスポットを巡っていきましょう。

◆宮城県石巻市の日高山にある階段を再現@高橋ビル屋上

 宮城県出身の井上修志は、日常生活で不要になった物や廃棄物などを素材とした彫刻作品やインスタレーション作品を手掛けるアーティストです。

 こちらは、宮城県石巻市での震災の体験を経て制作された作品。被災したときに実際に避難した宮城県の日和山にある階段をイメージしたもので、被災の復興作業による廃材でつくられています。階段の先にあるものとは?

 階段の裏側に設置されているモニターには石巻市にある実際の階段が映し出されています。アパートの屋上に展示されていて、京急線の線路や大岡川を見下ろせるビュースポットでもありました。

◆総勢5名のアーティスト作品を満喫@八番館

 八番館という建物では5名のアーティストの作品が展示されています。生鮮スーパーのような外観ですが、これ自体がアート作品。実際にスーパーだと間違えて入店する一般客もいるのだそう! 外観は期間によって変更されるので、再び立ち寄ると違うお店になっている楽しさも。お店そっくりなアート作品なんてユニークですよね。

 中にはいくつもの作品が展示されています。中でも印象的だったのが和田昌宏による「Songs for My Son」。

 会場内で聞こえる「パーンパーン」というはじけるような音の原因となる作品です。なんだろうと、展示会場をくまなく鑑賞して、はじめて作品の仕掛けがわかるという謎解きのようなワクワクする作品でした。是非、実際に訪れてみてください。

◆無料で立ち寄れる! “買えるアート”ぬいぐるみを販売@竹内化成ビル6階

 竹内化成ビルの6階では、安部泰輔が会期中毎日公開制作を行っています。展示の一部になっている「コガネモン」というぬいぐるみは、1つ1,000円で購入可能。一つずつ違う表情のコガネモンからお気に入りを選んでみては。

 コガネモンはバッグや服につけられるので、道行く人に黄金町に行ったことをアピールできます。

※竹内化成ビル5階・6階は黄金町バザール2024パスポートなしでも入場可能。

◆ゆっくりできるアートの本屋や休憩スポットも

 黄金町エリアはみなとみらいエリアよりも落ち着いた雰囲気で、フォトスポットも多く、ゆっくり横浜アートに浸れます。個性的な作品が目立ち、記憶に鮮明に残るものばかりなのもさすが黄金町という感じ。知る人ぞ知るディープな黄金町エリアへ足を延ばしてみてはいかがでしょうか。休憩スポットやカフェも多くおすすめです。

黄金町バザール2024

京急線日ノ出町駅・⻩金町駅間の高架下スタジオ/周辺のスタジオほか
https://koganecho.net/koganecho-bazaar-2024/

2024.05.03(金)
文=桐生奈奈子
写真=佐藤 亘、Katsuhiro Ichikawa