愛魚の体調チェックが毎朝の日課

――ビオトープみたいなものを作っていた。

 そうです、そうです。だから、ヤゴとかめっちゃいましたよ。トンボが羽化したり、ホタルも来てたなぁ。実家では未だに亀を飼ってますよ。高校生くらいの時におとんが採ってきた亀やから……20年以上生きてますね。

 まぁ、田舎っていうのもありましたけど、おとんが元々好きで、そういう遊びをよく一緒にやっていました。小学校の頃は魚を釣って、家に持って帰って飼って、魚が産んだ卵が孵化したら川に戻したりもしてましたね。とにかく水辺の生き物が近くにいる環境でした。

――ナダルさんは近畿大学農学部水産学科を卒業されているんですよね。水族館の飼育員になりたかったとか。

 具体的なことはあんまり考えてなくて、魚が好きだからその学科を選んだんですけど、採用試験で受かっていたら水族館の飼育員をやっていたかもしれないですね。

 学生時代は(養殖の)トラフグを同じ水で循環して育てる研究をしてたんです。だから元々、そういうことがしたかったんでしょうね。自然界って水の入れ替わりがそんなにないというか、雨水によって変わっていくじゃないですか。(人工でも)そういう環境ができたらというのは、当時から思っていたことですね。SDGsを先取りしてました。

――では、ナダルさんの思う金魚のいい飼育方法を教えてもらえませんか?

 外やったらデカめの濾過装置をつけて、濾材として貝化石っていう牡蠣殻を入れる。金魚のフンで水質が酸性に傾きやすかったりするんですけど、ちょっとだけアルカリ性に近づけたほうがいいので、そうするために貝化石を結構入れたりしてましたね。

 水槽で飼うときは砂利を入れてたんですけど、それも濾材くらいの感覚というか。フンを濾過するために入れてたので、結局、濾材が重要な気はします。濾材が効いてると、そこまで頻繁に水を替えなくてもいいんじゃないですかね。

 金魚すくいの金魚ってすぐ死ぬものだと思われがちですけど、大事に飼えば10年以上長生きしますよ。なかなかそこまで生かしてあげられへんのは、飼うほうの問題というか。うちにも浅草の金魚すくいで持ち帰った子いました。かわいらしくて。大事に育ててたので大きくなりましたね。

うちの子ベストショット⑤「水質をしっかり管理することで金魚はずっと元気に過ごせる」

――掃除はどれくらいの頻度でやっているんですか?

 週1くらいですかね。で、冬はほぼしない。エサもほとんどあげないです。15度以下になると消化不良を起こして調子崩すことがあったりするので、ちゃんと水温が上がってからあげたほうがいいです。うちも3月末くらいからですね、2階の金魚とメダカに餌をあげるようになったのは。

 で、3~5分くらいで食べ切る量をあげてます。食べ過ぎると消化不良になりますし、水も汚れますからね。

2024.05.14(火)
文=高本亜紀
撮影=橋本篤
写真=ナダル