モモコさんの悩み、もっと知ってあげたらよかったな

――この本には、モモコさんの迷いや、自分は何者なのかという未来の自分への不安が書き込まれていました。モモコさんの悩みは、そばで感じていましたか?

ANDO こんなことを思っていたんだ、こんなに落ち込んでいたんだと思いました。

 イジられすぎることが好きじゃないことは知っていました。傷つきやすい部分がある、そういう印象もあったんですけど、こんなに周りと自分を見比べたり追い詰めていたことまでは気が付かなかったので、もっと知ってあげたらよかったなと。

 モモコさんは一緒にいると励ましてくれるタイプで。「リンリンは大丈夫だよ」「リンリンは好きなことをいっぱい発信したらそれがお仕事になってるからいいじゃない」って言ってくれて。私なんか、モモコさん、いろんな本とかお仕事をたくさんしているなと思ってたので。

 弱いところを見せずに、気がついたらいなくなったり新幹線や飛行機の座席を変えて、そこで泣いていたり。モモコさんは1年に1回くらい「もう駄目かもしれない」とか言うことがあったんです。そういうときに手を差し伸べてあげていたらな、と思いました。

 

「死ななければいい」「生きているだけでいい」という時期を乗り越えて

――ANDOさんにはそういう迷いはありましたか?

ANDO 私はモモコさんみたいに、考えて考えすぎることが逆にできなくて。現実と向き合うことができない、なんか弱いところがあるんです。これをやりたいと思ったらやれるっていう漠然とした自信が根拠なくあるタイプで。だから“自分はこうなりたい”というものもあったんです。

 ただ、自分の人間性に対して落ち込むと、たまに反省文をバーッとメモすることはありました。自分がこういう人間なんだと知るために、足りないものやなおすべき考え方を残したりはしていましたね。

――2022年10月21日の記述に、おふたりのこんな会話がありました。《体力ばっかりなくなって、全然自分のことできないよね……》。そのモモコさんの言葉にANDOさんは《踏ん張っていくしかないね》と。周りに気を配る余裕などまったく持てないほど、毎日が怒涛の忙しさだったのではないでしょうか。

2024.04.24(水)
文=児玉也一