30分ほどで参拝を終えられると、愛子さまのお顔がとても優しくなり、緊張が解けて安堵されたご様子がよく伝わってきた。奉迎の人の前を笑顔で会釈を繰り返しながらゆっくりと通り過ぎ、穏やかな笑みを浮かべられていた。

(3)“ケープの丈が絶妙”グレーの参拝服

 翌日の27日、愛子さまは斎宮歴史博物館で一般の人に声かけをなさったことがニュースでも話題になった。こうしたサプライズは天皇皇后両陛下が皇太子時代からなさっていたことで、愛子さまもご両親の背中を見て育ってこられたのだと思うと、感慨深い。小学生たちとは、「卒業したんやろ? 大学」「ニュースで見たわ」と会話を交わし、愛子さまもリラックスされた表情だった。

 奈良県へ移動し、神武天皇陵の参拝でお召しになっていたグレーの参拝服も、ケープの丈が絶妙で素晴らしかった。ドレスの裾のドレープとリンクしているように見える丈で、このセットはとても美しい装いだと思った。

 帰京の際のスーツは、淡いブルーのペールトーンといえるジャケットとフレアスカートで、ジャケットのショールカラー(へちま襟)を拝見して、雅子さまもよくお召しになっているデザインではないかと思った。

 

(4)“長年のご愛用”ブルーのミニバッグへの思い

 今回の地方ご訪問で私が最も注目したのが、花柄が可愛らしい、ブルーのミニバッグだ。実は、2016年7月に14歳の愛子さまが両陛下とご一緒に神武天皇陵を参拝されたときもお持ちになり、長年のご愛用ぶりが伝わってくる。さらに昨年5月、「御即位5年・御成婚30年記念 特別展」でも、愛子さまは同じバッグをショルダーポーチとしてアレンジしてお持ちになった。

 学習院女子中等科時代の愛子さまは、2016年夏ごろから少しずつほっそりとされて、15歳の誕生日に際したご近影では、ご体調を心配する声があがった。

「中学生の愛子さまは伊勢神宮と神武天皇陵を参拝され、京都御所へ出かけられたことを通して、天皇家の歴史や伝統を身をもってお感じになり、自分もここに連なる皇室のメンバーだと自覚されたのではないでしょうか」(宮内庁関係者)

2024.04.14(日)
文=佐藤あさ子