——今回の2度目の受賞は日本のアニメーション界にとってどのような位置付け、意義になっていくとお考えでしょうか。今、日本のアニメは海外で高く評価されていて、日本経済が非常に厳しい中、勇気になると思うんですが。

 鈴木 一番願うのはね、明るいニュースになることですよね。確かにご指摘のようにそれはもしも達成できるんなら、本当に良かったなと思います。

「ナウシカ続編」は?

 ——今回21年ぶりの2度目の受賞ということで、この21年の間に、ジブリさんの作品もそうですけども他のスタジオの作品もノミネートはされるけれども受賞はしてこなかった。ジブリでしか21年、獲れてこなかった。この日本のアニメ界の現状についてなにか思うことがあれば。

 鈴木 いや、僕はその立場にいないような気もするんですけれども(笑)。その間にね、準備も色々やりました。それで、宮﨑とも色々と作りましたよ。だけども一番大きかったのはね、もしかしたら今ふと思いついたんですけども、「風立ちぬ」を作ってからの10年、もう新しい作品がないだろうと思ったら出てきた。それが大きかったんじゃないですかね。そんな気がしていますね。日本でいろんな人が観てくれたのはね、「10年ぶりだけれども観てみよう」っていう。宮﨑駿(作品)をテレビでしか観たことがない。しかし、映画館で観るとどうなんだろうと。たぶん、そんなことが起きたりしている。それから、この間にジブリも日本を除いた海外ではいわゆる「配信」っていうことをやって、いろんな人が観る機会があったんですよ。特にアメリカがすごかったんですね。それで言うと、どうも「この人(宮﨑監督)、面白いらしい」と。それで今、アメリカで多くの人が観てくれてるんじゃないかなっていう気がします。

 ——アカデミー賞の(YouTubeチャンネルで3月3日に生配信された)ライブストリーム動画に宮﨑さんが出たときにおヒゲがないという……剃ったということが話題になっていて、ちょっと驚いたんですが、鈴木さんも同じ動画に出ていらっしゃいましたが、何か聞いていましたか?

2024.04.11(木)
文=「文藝春秋」編集部