この記事の連載

 「ビタミンC」のコスメやサプリは沢山あるけれど、そもそもビタミンCってどんな効果があるのか、意外に知らないかも。高濃度のほうが効く? 飲んでも尿として出てしまうから意味がないってホント? ビタミンCにまつわる「ウソ・ホント」を、皮膚科医の髙瀬聡子先生が解説します!

レチノール篇
トラネキサム酸篇


【疑問1】ビタミンCって、シミ、ニキビ以外にも効くって本当?

髙瀬 本当です。ビタミンCには、シミの元であるメラニンの生成を抑制し、今あるメラニンを還元する働きがあります。また肌内部で生じる炎症を鎮め、皮脂分泌を抑制する働きもあり、ニキビに有効とされているんですね。この2つの効果が有名ですが、それだけではありません。

――その他の効果って、どんなものか気になります!

髙瀬 抗酸化作用に優れ、老化の原因となる活性酸素から、肌を守ってくれるんです。さらにコラーゲンの合成をサポートしたり、ターンオーバーを促すことで、シワやハリに迫る作用も。ビタミンCは1つの成分で、シミにもニキビにも、エイジングケアにも力を発揮します。

【疑問2】ビタミンCは飲んでも「尿として出てしまう」から意味がない?

髙瀬 これはウソです。ビタミンCを服用すると、消化吸収されてから血流にのって全身を巡り、まずは「生命維持に必要な臓器」に使われます。肌に届くのは一番最後なので、効果を実感しにくいかもしれませんが、意味がないわけではありません。

――肌に届けたいと思ったら、どのくらい飲むべきでしょうか?

髙瀬 成人に必要なビタミンCの摂取量は、1日100mgと定められていますが、これは健康を維持するために必要な量なんですね。「肌」まで届けたいと思ったら、美容皮膚科では2,000~3,000mgの摂取を推奨しています。

――沢山飲んでも問題ないのでしょうか?

髙瀬 排出されるので問題ありません。確かに「使われなかった分は出てしまう」のは、その通りですが、逆に「体に蓄積されて悪さをすること」もないんです。

 体が必要とするビタミンCの量や、ビタミンCの代謝には個人差がありますから、一概に「どのくらい吸収されて、どのくらい出てしまうか」は判断が難しいですね。前述の通り「肌に届けたい」と思ったら、3,000mgの服用をおすすめします。

2024.04.04(木)
文=宇野ナミコ