残念ながら受賞者は全員欠席! しかし熱いコメントが胸に迫る
このアワード、3回目にしてすでに名物になっているのが、受賞者本人の欠席理由とコメントの発表タイム。これが、その人らしい理由でつい笑ってしまいつつも、コメントがあまりにリアルで熱いため、まるでそのキャラクターが実在するかのような気持ちに……。また、ハナコ皆さんの「白熱した議論を重ねました!」「本当に難しかった!」というコメントからも伝わるように、審査員の皆さんの推薦理由もまた愛に溢れ、思わず胸が熱くなる素晴らしい授賞式でした。
主演女優賞の茅野うみ子は課題の撮影の真っ最中ということで欠席。「茅野うみ⼦です。主演⼥優賞、まさか⾃分が出る側で賞をいただく事になるとは……ありがとうございます。これからもより良いものを撮って、作っていきたいです。応援の程よろしくお願いします」とのコメントが。
代理で出席した秋⽥書店の⼭本侑⾥さんは、「65歳で映画制作の道に⼊り、希望だけではなくクリエイターとして苦しみ、悩みにも直⾯している。いくつになっても悩むのだと教えてくれることは、私たちが未来を⽣きていくための優しさを教えてくれます」。
審査員のhonto 電⼦書籍ストア 書店員・萩野晶さんは「時代に合ったキャラクター性、多くの⽅に勇気を与えるその姿は主演⼥優賞にふさわしい存在です」と受賞を称え、ハナコの秋⼭さんは「65歳で挑戦しているうみ子の姿を⾒て、⾃分もまだ遅くはない、まだまだ挑戦できると思えるキャラクター。本当に広い世代へ勇気を与えていると思います」とコメントしました。
また助男優賞のヒンメルはすでに亡くなっているため出席が叶わなかったものの、今回は特別に女神の魔法により、「受賞ありがとう。対価はフリーレンが受けとるさ。千年は保つくらい丈夫な賞を作ってくれ」というコメントを寄せました!
代理でトロフィーを受け取った⼩学館の本⽥そにあさんは「ヒンメルは⽣前、勇者として様々な⼈に影響を与え、亡くなってからもフリーレンに影響を与え、フリーレンを介して、フリーレンの周りの⽅に影響を与えています。すでに亡くなっていますが、このような賞をいただき、読者にも⼤きな影響を与えている、印象深い、いなくてはいけないキャラクターだと実感しています」
審査員の丸善ジュンク堂書店 書店員・⼩磯洋さんは「ヒンメルは1話で出てきて、数ページ後には⽼⼈となり亡くなってしまうため、どんな⼈かわからない状態で物語が始まります。フリーレンの回想を通して、ヒンメルがどんな⾏動をとり、どんな思いを持って⾏動したのかを知っていくことになります。彼の⾏動は、フリーレンだけでなく作中の⼈や、我々にも影響を与えています。席を譲ってあげたり落とし物を拾ってあげたりした時に、ヒンメルっぽかったなと思ってしまう。どこに出しても恥ずかしくない、⽴派な勇者」とその影響⼒の⾼さを評価。
岡部さんは「登場シーンが少ないにも関わらず、フリーレンの⾔動や⾏動、そして、今を⽣きている⼈に⼤きな影響を与えていて、 そこからヒンメルがどういう⼈だったのかがわかる。その影響⼒のすごさが、助演男優賞にふさわしいと思います」とコメントしました。
全員分を紹介したいくらい、素晴らしいコメントと推薦理由でした。全コメントや惜しくも受賞を逃したノミネート作品は「マガデミー賞2023」特設サイトにて、ぜひ、チェックしてみて下さい。
2024.03.15(金)
文=CREA編集部
撮影=深野未季