豊さんは若い頃、長い仕事が終わると、3日間ぐらい食事もせずに水分だけ摂って、ひたすら寝ているんです。本当に死んじゃっているんじゃないかというぐらい熟睡していて、「起きてよ」とつついても起きない。起きたらご飯を食べられるように作っておくんですけど、手をつけずに寝ているんです。その間いっさい、会話もなく。さすがに耐えきれなくなって実家に帰りました。
「実家に帰ります」蘭さんの置き手紙を読んだ水谷さんは…
――実家に帰っても水谷さんは、まだ寝ていたんですか。
伊藤 気づかずに寝ていたんですけど、「実家に帰ります」という置き手紙を読んで、「えっ」と思ったらしく。少し経ってから、迎えに来てくれました。夫婦の間で何かあったのはその時ぐらいで、子育てをしている時から今に至るまで、けんかをしたことはないです。基本的には子どもの意思を尊重して、ふたりでそれを見守りながら育ててきました。
――幼稚園、小学生になるとママ友との付き合いが出てくると思います。蘭さんは、ママ友との付き合いを楽しんでいましたか。
伊藤 当時のママ友とは、今もお付き合いが続いている方もいます。豊さんもママ友とふれあうことが多かったですね(笑)。「今日は誰々ちゃんの家に迎えに行ってきます」と言って出ていって、ママ友たちとお茶をして帰ってくるんです。
ママ友の会みたいなのも「僕はいいよ、行かないよ」とは言わず、積極的に参加してくれて。私も楽しんでいましたが、豊さんもママ友やパパ友とのふれあいを楽しんでいました。
「今の道に進んでからは…」個性派女優として活躍する趣里さんへの思い
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成長した趣里さんは、バレエの道に進むも、ケガのために断念。水谷さん、蘭さんと同じ役者の道を歩むことになった。今ではNHKの連続テレビ小説『ブギウギ』での演技力が高く評価されるなど、個性派女優としての地位を確立しつつある。
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――趣里さんが女優の道を選択した際、蘭さんは、どう思われたのですか。
2024.03.23(土)
文=佐藤 俊