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不妊治療、日本と台湾の違いとは?

 曾先生は「日本は4・4組に1組の夫婦が不妊検査や治療を受けたことがあるとされますが、成功率の低さに悩む方も多いようです。当センターには日本人の国際医療コンサルタントが在籍し、渡航回数や費用、心理面など患者の負担を減らせるよう努力しています。

 日本からの患者の年齢は40歳から45歳までが多く、最高齢の成功実績は更年期中の52歳です。日本の不妊治療は自然周期療法を採用する傾向がありますが、台湾は効率よく妊娠するために、投薬に積極的で、卵子を多く取り出し成功率を高めようとします」と日台の違いを話してくれました。

 「卵子の量は『AMH』という値を検査すればすぐに分かります。卵子の質は生理学的な構造で、35歳以降は急速に低下します」と、曾先生。

 この概念は台湾で広まりつつあり、不妊治療目的に限らず、若いうちに卵子凍結をするのが賢い選択だと考える女性が増えているそう。欧米や日本より費用面で競争力があり、地理的にも近い台湾が不妊治療で選ばれるのは、自然なことなのかもしれません。

【信義】
TFC 台北生殖センター(タイベイシェンヂー)

所在地 台北市信義區松仁路100號14樓(台北南山広場ビル)
https://www.tfcivf.com/
●診療時間、予約などの最新情報はHP(日本語対応)にて要確認。

●教えてくれたのは……

近藤弥生子(こんどう・やえこ)さん
編集・ライター

2011年2月より台湾在住。オードリー・タンからカルチャーまで、生活者目線をモットーに取材。日本語著書に『オードリー・タンの思考』(ブックマン社)など。

※表紙と巻頭グラビアに登場した「&TEAM」NICHOLASのスペシャルインタビュー、台湾で必ず食べたい豆花魯肉飯の名店、メイドイン台湾の美しい日用品などが盛りだくさんの「行かなくちゃ、台湾」特集は「CREA」2024年春号でお読みいただけます。

次の話を読む「産後の女性の静養は不可欠」 台湾の産後ケア文化を知ると 日本での“産後のイメージ”が覆る!

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2024.03.13(水)
文=近藤弥生子
写真提供=TFC 台北生殖センター

CREA 2024年春号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

行かなくちゃ、台湾

CREA 2024年春号

行かなくちゃ、台湾

定価980円

名物をしみじみ味わって、のんびりと街歩きしたい台湾は、少し見ぬ間に懐かしさはそのままに、ヘルシーに進化していました。次の旅は台北から足を延ばして、嘉義、台中、大渓など地方へも。行かなくちゃ!台湾へ。