豪快な白波とヤシの木々……アカウミガメが産卵する珍しいビーチ!

 デヴァからやや南下したロシュ ペルセという景勝地にも寄り道。ここはかつてニュージーランドの兵士たちがキャンプしたという、いわばリゾート地の元祖。高台からは熱帯雨林の間を川が蛇行する雄大な景色が見渡せます。

 そして地名(“ロシュ ペルセ”は“ピアスの穴”という意味)の由来になっている、断崖に穿たれたトンネルを抜けて、小さな入り江へ。振り返ると地層が露になった岩壁が覆いかぶさってくるようで、前を向けば豪快な白波が打ち寄せるワイルドなビーチです。右手にはヤシの木々が縁取る白砂のビーチが見えます。

 このビーチは、その名もタートルベイ。毎年11~2月の、ニューカレドニアの春から夏にかけて、希少なアカウミガメが産卵に訪れます。シーズンになると、ヌメアのニューカレドニア ラグーン水族館では産卵&ふ化観察ツアーを開催しているそうです。

 ロシュ ペルセからさらに南下して、開拓時代を彷彿させるラフォアへ。背の高いヤシの木の並木道にプランテーションスタイルの家が並ぶ、愛らしい小さな町です。クルマで移動中、あっという間に通り過ぎてしまったのですが、ふと目に留まったのがレトロなネオンサインの真っ赤な映画館。

 実はラフォアは毎年、町をあげて映画祭を開催しており、昨年で25回目を迎えたそう。小さな田舎町の愛らしい映画館で、映画好きが集まるお祭り。楽しそうです。

2024.02.10(土)
文・撮影=古関千恵子