秋篠宮殿下と地方を訪ねることも
幼少期から昆虫など生き物にも強い関心を示し、特にトンボについては、継続的に研究。「トンボと私」のタイトルの作文が全国小・中学校作文コンクールの中学の部で佳作に入賞した。稲作や昆虫などへの関心の集大成として、田にメダカやヤゴなどを放ち、自然と同じような環境下で生物が生息できるビオトープも自らつくった。
高校ではバドミントン部に所属しているが、スキーも上級クラス。時には秋篠宮殿下と地方を訪ね、地元に伝わる芸能(神楽=山形・遊佐町)、工芸品(雲平筆=滋賀・高島市)づくりの現場を訪れ、また、海外へはブータンを訪問、王室の方とも交流をした。歴代天皇陵や神宮(三重県伊勢市)への参拝もしている。
成長過程を国民に知らせることの重要性
こうしてみると、愛子さまも悠仁さまも同年代の若者とは異なる、皇族ならではの体験を数多く積んできている。広い意味での帝王学とも受け止められるが、そうした体験を通じ皇族としての立場を自覚しつつ、学問上の関心領域を明確に形成しつつあるようだ。
上皇さまは以前、皇室の子どもの成長過程については、プライバシーに目配りしながら国民に知らせることの必要性と重要性を語っていた。愛子さまも悠仁さまも、現在は学業優先で公務の機会は限られているが、これからは国民と直接触れ合い、自身の考えなどを語る機会が増えることを期待したい。そうした言動を通じて22世紀に向けた皇室像が国民に浸透していくことになる。
◆このコラムは、政治、経済からスポーツや芸能まで、世の中の事象を幅広く網羅した『文藝春秋オピニオン 2024年の論点100』に掲載されています。
2024.01.19(金)
文=大久保和夫