完全にプライベートな空間でお酒を片手に多幸感に浸っていると、鋭いアタリが竿先にでた。しっかりした引き味で楽しませてくれたのはゴンズイ。

 その後もアタリと引き味だけは期待感を持たせてくれる大きなゴンズイが入れ食いになる。雨が降るとゴンズイの活性が上がるイメージがあるのだがまさに荒天の現在、秋のゴンズイ祭りが開催されている……。

 隣の部屋からも「デカい! デカい! あぁ、ゴンズイ……。」と落胆する声が聞こえる。状況はどこも同じのようだ。

 ちょい投げ釣りからウキ釣りに変えると、今度は二本針両方にアジがかかった。

 海面にこぼれた明かりにアジが寄っているみたいでゴンズイを避けるならウキ釣りが正解のようだ。満足な釣果は得られなかったが大浴場に入って一日の疲れを癒して就寝した。

 

夕食の食材を確保せよ!

 2日目は夕食付きのプランを予約しているため、17時半までに釣魚をフロントへ持ち込めば追加料金なしで料理してもらえるサービスが付いている。客室や桟橋で釣りができる宿の魅力の1つがこの調理サービスなのだが、刺し盛や天ぷら、塩焼きなどの食材を釣るミッションを課すことで、釣りを旅行のアクティビティとしても楽しめる。ふらっと釣りをするのも良いが、夕食用のターゲットを定めて釣り詰めていくのも面白い。

 昨晩は大物枠であるキジハタとヒラメを達成できなかったため、今日は狙いを回遊魚に切り替えて一日ルアーを投げ倒す作戦にでる。

 早朝、並行してちょい投げ仕掛けを投入していたところ、竿が海にロケット発射しそうなアタリがでたので回収してみるとシロギスが釣れていた。

 大物が駄目でも小さな美味を重ねることで夕食がより豪華になる。わずかな時合いであったが3匹確保できた。さらに日中はサバ、メッキ(ギンガメアジ)に加えて同行者がエギングで3杯のアオリイカをキャッチ!

 恐らく桟橋周りに群れる小アジを追って回遊して来たのだろう。イカ専用の泳がせ仕掛けがあればウキ釣りでも狙えるので、海楽園ではエギと合わせて必須アイテムに認定したい。

2023.11.09(木)
文=ぬこまた釣査団(大西)