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寒い国だから、あつあつスープが飲みたい
アイスランド人はスープも好きだ。それも具だくさん。白身魚だったり、ラム肉だったり、野菜だったり。主食のパンに合わせてほっこり温まる。
観光客相手のスープスタンドではイカ墨が練り込まれた真っ黒なパンをくり抜いてできた器にスパーシーな牛のスープが注がれてきた。「おかわり自由ですよ」と言われたが、このパンの器って丈夫かなと、ふうふう言いながら食べる。
別日のランチで「タラのシチュー」を頼んでみたら来たのはこちら。
こってりホワイトソースにタラが絡み濃厚な味。美味しいけれどお腹にたまる。酸っぱい黒パンはもう入らない。夫も途中で顔をあげた。隣をみたらXXLサイズのおじさん二人が半分こして食べていて、「それ正解だよー」と笑い合う。
旅の途中ではホットドッグで簡単に
簡単に済ませたい時に助かったのはホットドック。お財布にも優しく、地元の人たちにも大人気。下に敷かれたピクルスはお店それぞれに工夫されていてペロッといける。
併設されたビニールハウスではプチトマトが栽培されていた。溶岩が覆われた大地では農業が難しいため地熱を利用したハウス栽培が盛んなのだ。
羊肉は苦手だったはずだが……
私の懸念は羊肉だった。好き嫌いはほとんどないけれどあの香りはどうも苦手。克服できるか。
道中あちこちで羊ファミリーに出会う。元々はバイキングが持ち込んだと言われる羊は食用、羊毛用にとアイスランドの生命線。人口の倍以上いる羊たちを横目にラムのグリル。
柔らかくジューシーで、口いっぱいに旨味が広がり実に美味。アイスランド限定で毎回ラムでもいいと夫に宣言する。
2023.08.29(火)
文・撮影=大坪千夏