気ままにごろごろ三昧
あれはもしやつるべ師匠……?
ごろ~ん
「あら、いらっしゃい」
つるべ師匠、寺内で気ままにごろごろ三昧である。
「今日はあったかいにゃー」
ちなみに、名はつるべだがメスである。由来はあとで説明しよう。
「ハッ! パトロールに出てきたんだった!」
そう、つるべ師匠は庫裏(※)からパトロールのために外に出てきたのであった。さっそく追ってみることに。
※庫裏=住職やその家族の住む場所
「さーてと」
「日課のお墓パトロールへ」
「お供えを狙うカラスは許さんぜよ!」
「パトロールパトロール」
「お墓の裏側も念入りに」
つるべ師匠のお墓パトロールは、夏は朝から晩までのんびりと時間をかけて行われる。冬は午前中に1時間ほど。つまり、あたたかい時間帯に気ままに見回りをする、ということのようだ。
「この時期は足元が冷えるのよねぇ」
「爪とぎ発見!」
バリバリと爪とぎをされた後は、塀の上からお墓全体を俯瞰して、異常がないかを確認する。
「よいしょっと」
「異常なーし!」
「本日これまで」
つるべ師匠、追えないところまで行ってしまわれたので、パトロール密着はここまで。つるべ氏は、外に飽きたら勝手に窓を開けて帰宅するという。引き続き建物などを撮影していると、お寺の事務員を務める住職の弟さん・佐々木了文さんが「梅津さん、つるちゃんが帰ってきました。この体たらくをぜひ見てください……!」と、わざわざ呼びに来てくださった。
なんだなんだ! と、庫裏へと走る。
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