20代後半からフィンランドに住み、2023年で滞在17年目を迎えるテキスタイルデザイナーの島塚絵里さん。
「フィンランドは幸福度が世界一高い国に6年連続で輝いているけれど、ほんわかした楽園では全くありません。仕事はなかなかないし、自殺率も高く、冬がとにかく長い。それでも、幸福度が高いのは、しっかり地に足をつけて、問題を克服する知恵をたくさん持っているから」と話します。
自然との向き合い方、家族のこと、仕事への考え方など、幸せの上手な見つけ方を教わりました。
薪でサウナをじっくりと温める時間
色々なサウナの楽しみ方がありますが、私が一番好きなのは大自然に囲まれたコテージでのサウナタイム。
毎年ラップランドの小さな村にある夏小屋をレンタルして、1週間ほど過ごすのですが、そこの小屋には電気がないので、昔ながらの方法で便利とは逆の暮らしをあえて楽しみます。サウナに入りたくてもすぐには入れません。
なんでも下準備が大事で、まずは薪をわり、水を湖から大きなバケツがいっぱいになるまで、何回も汲みに行きます。
下準備が整ったら、マッチに火をつけて、小さな薪に火をつけます。サウナが温まるまで、1時間くらいかかるのですが、その間は薪を足したりしながら、気長に待ちます。
ラップランドの夏は白夜。夕暮れになるまで、心と体が満たされるまで、ゆっくりサウナに入ったり、湖で泳いだりして過ごします。たくさん汗をかいて、湖の水で清らかになる。日常から解放され、最高のデトックスなのです。
2023.08.11(金)
文=島塚絵里
写真=島塚絵里