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暑くなってくると食べたくなるのが、暑い国の伝統的な料理。特に最近の猛暑では、よりおいしく感じられます。
今回「帝国ホテル 東京」が初のタッグを組んだのは、いつか必ず行きたい国「シンガポール」。多民族の歴史と文化が融合するシンガポール伝統の料理を、駐日シンガポール共和国大使館の後援のもとで完全再現。その味わいをご紹介しましょう。
シンガポールの“プラナカン料理”を忠実に再現
シンガポールには、マレー語で「この地で生まれた」という意味の伝統料理“プラナカン料理”があります。その起源は、15世紀頃に、マレー系女性と中国人貿易商人が家庭を持ったことに遡るそうです。中国の料理法に、スパイスやココナッツの木の実を多く使うマレー料理を融合させたのがプラナカン料理です。
今回のフェアでは、その国の歴史や文化に敬意を払う帝国ホテルのフードフェアらしく、プラナカン料理を多く取り入れています。
まずは本館1階「パークサイドダイナー」から!
◆ポピア

屋台やホームパーティで食べるカジュアルなシンガポール風生春巻き。薄くてもちもちとした皮で具を包むのが特徴ですが、今回は北京ダックの皮を使っています。
中にはピーナッツでアクセントをつけた海老や細く切った野菜などがしっかりと巻かれており、チリソースをつけていただきます。
◆ビーフ・レンダン

牛肉をココナッツミルクで煮込む料理です。耳慣れない名前ですが、過去にはCNNの「世界の料理50」で1位に選ばれたことも!
お肉は大ぶりに切り、まろやかでありながらスパイスの効いたココナッツミルクで煮込みます。甘さと辛さが調和したおいしさです。夏野菜をたっぷりトッピングし、ライス、アチャール(ピーナッツをまぶしたシンガポール風ピクルス)とご一緒に。
◆シンガポール・チキンライス

こちらは日本でもポピュラーなチキンライス。
ここでは、しっとりしたもも肉とあっさりした胸肉を両方使い、鶏出汁の効いたジャスミンライスと一緒に。ライスにもチキンの旨みがぎゅっと閉じ込められており、とても濃厚なおいしさです。
生唐辛子から作ったチリソース、ジンジャーネギソース、アチャールと一緒にどうぞ。
◆ニョニャ・ラクサ

プラナカン料理を代表するメニューと言えば、こちら!
「ニャニョ・ラクサ」といえばお母さんの味を思い出す人もいるそうで、いかに現地で親しまれているかが伝わってきます。
スープはココナッツミルクベースで、ふんだんに使った干し海老の旨みとスパイスやハーブの香りが絡み合います。
麺は米粉麺。具には海老、タイ、油揚げなどが入っていて、満足感たっぷりの一杯です。
◆パンダン・プリン
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シンガポールで親しまれている、アヤメにも似た植物「パンダン」を使ったデザートです。パンダンには甘い香りがあり、“東洋のバニラ”と呼ばれるほど。プリンにすると、緑がかって仕上がっているのも夏らしいです。
ココナッツシュガー「グラマラッカ」のゼリー、ベリー類を重ね、食べやすく仕上げています。
グラマラッカのソースもたっぷり添えられていて、なんとも素朴な甘み。途中でかけて少しずつ味の変化を楽しむのもおすすめです。
2023.07.12(水)
文=CREA編集部