この記事の連載
バンコク・古寺巡礼 #1
バンコク・古寺巡礼 #2
バンコク・古寺巡礼 #3
あまたの寺院を擁する王都バンコク。いずれの境内も、独自の個性に満ちている。王国屈指の寺格と必見の寺宝を有し、聖なる空気を感じさせる3つの寺院を3回にわたりご紹介。
新旧のバンコクを見渡す360度の風景が圧巻
◆Wat Sraket(ワット・サケット)
![ラーマ5世の時代に完成したワット・サケットの黄金の仏塔。中には、仏舎利(釈迦の遺骨)を納めている。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/1/f/1280wm/img_1fbcf5a9c8f69c902b49ba67c2b60204407268.jpg)
「サケット」とは、王の散髪を意味する王室用語。クメール王朝との戦いから戻ったチャオプラヤー・チャクリー(ラーマ1世)が1782年に現王朝を起こし即位する際、ここで散髪してから儀式に臨んだという歴史が、その名の由来だ。
![黄金の丘の麓の境内から、頂上に立つ仏塔を望む。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/f/1280wm/img_efc7d749bdb606868e33d7ab775ed844273220.jpg)
だが、地元の人々にとっては、「ワット・プーカオ・トーン(黄金の丘の寺)」という別名のほうに親しみがあるだろう。その呼び名の通り、境内には高さ約80メートルの黄金の丘が堂々と聳えている。
![タイの国旗が見え始めたら、頂上まであと少し。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/6/7/1280wm/img_67e6525a010a3edd2ee24e6191170758169482.jpg)
拝観者は、途中にある石像や眼下の風景を楽しみながら、ゆるやかな344段の螺旋階段を登って、頂上にある黄金の仏塔をめざす。約20分で到着する頂上部には、ぐるっと一周できる回廊が。
![旧王宮エリアの向こうに、高層ビル群を見渡す。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/9/4/1280wm/img_94f2e5410c42722cc26de3816c74c17e437697.jpg)
旧王宮エリアである一帯には高層ビル規制があるため、視界を遮るものが一切ない。赤い屋根の歴史的建造物の向こうに近代的な高層ビル群を眺める風景は、なかなかの見ごたえだ。
![建立は、現王朝以前、14~18世紀のアユタヤ王朝時代まで遡る。堂内には、いくつもの仏像や黄金の涅槃像などが祀られている。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/b/1280wm/img_ebd2a689d77841fb8f497a6141ae30ca185225.jpg)
なお、この寺院は離れた場所からでもその荘厳な姿をしっかりと眺めることができる。丘から降りた後、やや遠景で眺めるワット・サケットもまた美しい。
![仏教が日常に根付くタイ。仏舎利が納められているこの寺院には、多くの人が参拝に訪れる。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/9/c/1280wm/img_9cc39ede40636c25bf7d06451b568896274969.jpg)
Wat Sraket(ワット・サケット)
所在地 344 Chakkraphatdi Phong, Ban Bat, Pom Prap Sattru Phai, Bangkok
電話番号 063 654 6829
拝観時間 7:30~19:00
休館日 無休
拝観料 50タイバーツ
https://www.facebook.com/watsraket
![](https://crea.ismcdn.jp/common/images/blank.gif)
Column
CREA Traveller
文藝春秋が発行するラグジュアリートラベルマガジン「CREA Traveller」の公式サイト。国内外の憧れのデスティネーションの魅力と、ハイクオリティな旅の情報をお届けします。
2023.07.04(火)
文=芹澤和美(Journal House)
撮影=志水 隆
CREA Traveller 2023 vol.2
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。