前略 片付けられない女子の皆様

 片付け実践編の3つのステップの中で、今回ご説明するのが最後のステップ「片づけやすい状態を維持する」。これが最も難しいことだと、私は考えています。

» 前々回「生活に必要なものを選び取る」
» 前回「残すべき物の住所を決める」

 ここまでは収納本やブログを参考に、見よう見まねで何とかできた! という方も、生活しているうちに何だか物があふれてきている……。せっかく住所を決めた物が、元に戻せない……。そのように感じることも少なくないでしょう。

 人はこれを「リバウンド」と呼び、悪しきこととして嫌います。「リバウンドは悪!」果たして本当にそうなのでしょうか?

家族それぞれが好きなことをして過ごすリビングは、時に散らかってしまうこともありますが、物の定位置が決まっていれば元の状態に15分で戻せる! そんな環境が気持ちを楽にしてくれます

 確かに一生懸命に必要な物を選び、しまう場所を決め、しまう方法も考えて決定したはずなのに、できないとなれば、「やっぱり私には片付けのセンスが無かったんだ……」と自分を責めたくなるかもしれません。大勢のお客様や、講座受講生とお話しする中で感じることのひとつに、皆、失敗を恐れ、失敗を許さない傾向があるように思います。

 ですが、“失敗から学ぶことこそが自分の中に最も定着する知識となる”ということを忘れないで下さい。

 実は、リバウンドしたときこそがチャンス! この時、このリバウンド状態を放置する事はいけません。リバウンドした時には速やかに対処することが大切なのです。「なんで元に戻せないのだろう?」と、原因を考えてみて。

「しまうと決めた場所に対して、しまう物が大きすぎる」……物と収納の器の大きさが合っていないのです! もう少し高さのある収納グッズに替えてみましょう。

「扉を開けて、引き出しを開けて、その中の缶のふたを開けるのが面倒」……こんなアクションでは戻すのが面倒! ざっくりとカゴ収納にして、放り込むだけでOKな収納にしましょう。

「バッグは、クローゼットにしまうと決めたけど、しまいに行くのが面倒」……毎日の行動動線を考えたら、リビングに置き場を作った方が良さそう、という場合も。

 など、これまでの、雑然とした状態の中では気付かなかった、生活にフィットしない小さな理由が浮き彫りにされてくるはずなのです。ここをうやむやにしないこと、ここで収納をブラッシュアップすることが、さらなる“心地よい快適空間”を手に入れるためのチャンスなのです。

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2013.12.15(日)