野宮 骨を補い引き上げる。
髙瀬 そう。ですから、筋肉の動きが強い部分を抑えるのがボトックス、若い頃の骨格に戻すためにボリュームとして埋めていくのがヒアルロン酸なんです。
ハイフ、めっちゃ痛かった
松本 そういったものを注入しない治療はあります?
髙瀬 もちろん。機械を使ったたるみ治療だけでもすごく効果は出ています。まずはデバイスで肌を刺激し、真皮層のコラーゲンにダメージを与え、再生を促し、自己治癒力を高め、お肌のタイトニングを行う。そして、それでも頑張りきれない部分をヒアルロン酸で補う、というのが私の考え方。
松本 デバイスって?
髙瀬 高周波やレーザー、赤外線などです。やっぱり40代までは、みなさん、何もしなくても十分きれいなんです。でも、更年期になりホルモンがなくなってくると、シワ、シミ、たるみといった部分で明らかに差が出てきてしまう。とはいえ、修復力までなくなったわけではなく、弱った細胞を叩いて刺激を与え、目覚めさせることで、細胞を頑張らせることは可能です。最新ではハイフという超音波機器もあって。超音波の熱エネルギーを皮膚の深層部に照射することで引き締めるものなんです。
渡辺 実は私、ハイフやりました。めっちゃ痛かった。
髙瀬 機種によるんです。ただ、やっぱり痛い方がより効果は高い。でも、たるみ治療は継続が大事ですから、うちではほどほどに痛く、ほどほどに効果がある機種を使っています。
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渡辺満里奈さんのハイフ体験談、レーザーのシミ取りで注意すべきこと、いま話題の幹細胞培養液や、韓国人と日本人の肌タイプの違いなど、座談会の全文は『週刊文春WOMAN2023夏号』でお読みいただけます。
髙瀬聡子(たかせあきこ)/皮膚科医。ウォブクリニック中目黒総院長。東京慈恵会医科大学卒業後、同大に皮膚科医として勤務。2003年にスキンケア化粧品「アンプルール」の研究開発に携わり、2007年にウォブクリニックを開設する。専門は皮膚科と美容皮膚科。丁寧でわかりやすいカウンセリングによる美容医療と薄毛治療の人気が特に高く、雑誌、テレビなどでも活躍中。著書に『いちばんわかるスキンケアの教科書』、『ゆる美容事典』(ともに講談社)がある。
2023.07.03(月)
文=辛島いづみ