「あまちゃん」の人気キャラ・ミズタクこと水口琢磨。アイドルのマネージャーで乙女座の彼は、なぜこんなにも愛されるのか。ドラマで彼が発した名台詞を抜粋し、そのひとたらしのテクニックを解析!

 今回は「辞表って中身要るんですか?」ほかの台詞を紹介。

» 第1回 「もっと泣くぞ」ほか
» 第3回 「バックレて、すいませんでした!」ほか

こちらのイラストは、『スイートホームサービス』『あいがある -I Girl-』などで知られる漫画家なかはら・ももたさんによるもの。「あまちゃん」愛が高じて、twitter@momotaNakahara などにアップし続けた”あま絵”ならぬ“あま漫画”です。ミズタクのセリフを解説したライターの木俣冬さんは「あまちゃん」関連の書籍で多数執筆。『あまちゃんメモリーズ』(文藝春秋)でも活躍しています

【勉さんに】
「勉さんの教えを胸に原石を…
アイドルの原石を磨いてきましたが、何て言うか志半ばで断念して戻ってきました」(145話)

 考古学を勉強していると噓をついて勉さんに弟子入りし、スカウト活動をしていたミズタク。勉さんを裏切った形で東京に戻るとき殴られたのに、ぬけぬけと戻ってきて、ちゃっかり迎え入れてもらう。要領がよ過ぎるぞ。

【春子に】
「歌手を目指してたんですよね。
そういう親が一番厄介だっていうのもスカウトマンの常識です。
反面、自分のかなえられなかった夢を娘に託そうとする母親も多いので、味方につければ心強い」(56話)

 素性を偽って東京からスカウトに来たことがバレて、春子に責められたときに言い放った。戦略をちゃんともって仕事をしているのだ。また、これは春子への嫌みとしても有効だった。

【GMTに】
「この中から一人でもクビになる奴が出たら、俺も一緒に辞める。
責任とって、俺も解雇にしてもらう」(85話)

 国民投票(という名の人気投票)によって40位以下が強制的に辞めさせられると聞き、動揺するGMTの面々を励ます。自分が一から育てたアイドルの卵たちを守ろうとする、見た目と違った熱さにグッとくる。

「辞表って中身要るんですか?」(144話)

 スリーJプロダクションを辞め、アキを追って北三陸市に行くことを決意したが、空っぽの封筒を差し出し、辞表のやりとりにおける緊迫感を完全にそいでしまう。オフィスハートフルを辞めるときは、大丈夫だったの?

あまちゃんメモリーズ
文藝春秋×PLANETS

じぇじぇ! 国民的ドラマを語り尽くします。
中森明夫氏ら論客が最終回まで徹底解読。全156話レビューと描き下ろし「あま絵」、小ネタ解説「あまペディア」で感動を完全保存!

本体1300円+税

» 立ち読み・購入はこちらから(文藝春秋BOOKSへリンク)

2013.12.19(木)
木俣 冬=文
なかはら・ももた=マンガ

CREA 2014年1・2月合併号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

運命の映画 最愛のドラマ

CREA 2014年1・2月合併号

運命の映画 最愛のドラマ

定価 670円(税込)