“相互乗り入れ”が進んでホーム画面のデザインはよく似た両者

 さて、実際に動画配信サービスを見るにあたっては、それぞれ付属のリモコンで、画面上に表示されているお勧めの動画を選択したり、カテゴリーから検索したり、さらにはキーワードで目的の動画を検索することで、目的の動画を呼び出して視聴を行います。

 これらの製品がユニークなのは、NetflixやAmazonプライムビデオ、YouTubeといった複数の動画配信サービスをサポートしており、そこから選んで、動画を視聴できることです。

 Fire TV StickはAmazon、ChromecastはGoogleの製品ですが、Fire TV StickでGoogleの動画サービスであるYouTubeを観ることもできますし、Chromecastを使ってAmazonの動画配信サービスであるAmazonプライムビデオを観られるなど、相互乗り入れが進んでいます。

 もちろん中にはピンポイントで対応しないサービスもありますが、どちらの製品も国内の多くの動画配信サービスに対応しており、差はほとんどありません。

 こうしたこともあって、ホーム画面のデザインは、両者ともによく似ています。対応サービスや旬の動画のサムネイルが並ぶこれらの画面は、利用経験がない人からすると、見分けがつかないことでしょう。リモコンの上下左右ボタンで項目を移動して選択するという、マウス操作やタッチ操作よりも制限のあるインターフェイスであることも、こうした外見のそっくりさにつながっていると言えそうです。

2つのデバイスで大きく違うポイントが…

 ただしこの2つのデバイスで、大きく違う点がひとつあります。それは検索機能です。Amazonプライムビデオなど、個々の動画配信サービスごとにしか検索できないFire TV Stickと違って、Chromecastはほぼすべてのサービスがフラットな位置づけになっており、キーワードで動画を検索する場合も、未契約のサービスも含めてすべてのサービスを串刺しで検索できます。

2023.06.03(土)
文=山口 真弘