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Twitterで告知すると一晩で満席に

──ますます、鈴木さんの植物観察会に参加したくなりました。でも、「予約が取れない」んですよね……。

鈴木 Twitterで告知すると一晩で満席になってしまうんですよ。……というとすごそうですが、実はこれは主催しているのがぼくひとりだから、受付できる人数に限りがあるだけ、というからくりがあって(笑)。

 ぼくより植物に詳しい人は世の中にたくさんいますし、年間観察会に何年も通ってくださっている方もかなり植物観察力が上がってきていますから、みんなが「植物観察家」を名乗って、どんどん講座で教えればいいのにな、と思います。そうしたら日本中でもっとたくさんの人が観察会に気軽に参加できるようになりますから。

──では、鈴木さんの夢は、日本中で「植物観察会」が行われることですか?

鈴木 うーん……。正直、あまり「夢」とか「目標」って考えていないんですよね。ぼくは自分では植物と同じで、自分の意思で進むべき道を決めているのではなく、風のふくまま、太陽の当たる方向に顔を向けているだけ、と思っています。太陽や水という自然の恵みがあって植物が生きていけるように、ぼくの観察会に来てくれる方がいて、こうして取材してくれる人や書籍を出してくれる人がいるので、ありがたく受けているだけ、という感覚です。

 でもあえていうなら、日本の在来植物の存在をもっと広めるお手伝いができればうれしいですね。いま、まちなかの植物を観察していますが、まちなかに自生しているのは、実はほとんどが外来種なんです。日本にもともとあった野生植物を観察するためには、ある程度野山に行かないといけないので、まずはまちなか観察会の認知度・参加率を上げ、ひとりでも多くの人に「植物の観察って楽しい」と思ってもらい、もっと植物を知りたい、もっと植物を見たいという“仲間”を増やしていけたらと思っています。

まちなか植物観察のススメ

定価 1,760円(税込)
小学館
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次の話を読む必要なものは「素敵な植物に出会う 心の準備」のみ 鈴木純が教える まちなかに隠された“植物の生きる工夫”

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2023.06.01(木)
文=相澤洋美