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 野山ではなく、身近なまちなかの植物を観察する「植物観察会」を開いている植物観察家の鈴木純さん。植物観察をすると、10分の無機質な道のりが100分楽しめる植物園に変わるといいます。

 一体どんな会なのでしょうか。『まちなか植物観察のススメ』の著書もある鈴木さんにお話を伺いました。

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──鈴木さんが行う「まちなか植物観察会」は、予約が取れない人気の会だと伺いました。鈴木さんは東京農業大学で造園学を学ばれたそうですが、造園のことが学べる講座なのでしょうか。

鈴木純さん(以下、鈴木) いいえ、造園について学ぶ会ではありません。しいていえば大学時代、キャンパス内の10分の道のりにある植物を1時間かけて観察するという授業があって。その授業から「植物の観察」というアイデアを着想したので、造園の基礎を学ぶという広い意味では「造園のことが学べる会」といってもいいのかもしれません。

──「植物観察会」では、どんなことをするのですか?

鈴木 文字通り「植物の観察」です。でも植物は動かないので、何かダイナミックなパフォーマンスがないと参加者が飽きてしまうんですよ。だから最初は、カタバミの実をつまんでプチプチっと種を飛ばしたり、アオキという木の葉をライターであぶって皮がバーンと弾ける様子を見たりするなど、分かりやすい動きを紹介して、植物の楽しさを伝えていました。

 まちでよく見かけるアカメガシワという植物をご存じですか? この幼木の若葉は表面が赤いんですけど、これを指でこすると緑に変わるんですよね。そういう手品っぽいパフォーマンスもよくやっていました。

──それは楽しそうですね。

鈴木 楽しいですよ~(笑)。でも「楽しかったね」で終わってしまうことが多くて……。それに、ぼくはひとりしかいないので、開催できる回数には限りがあります。だから、もっと別のスタイルでしっかり植物のことが身につく観察会にしたほうがいいんじゃないかと考えるようになって、1年かけて継続的に観察を行ういまのスタイルを確立していきました。

2023.06.01(木)
文=相澤洋美