簡易なプログラミングのような「少し調べないとできないこと」や、Microsoft 365を使った資料作成等の「慣れないと時間がかかること」は、今後どんどん「AIに頼めばすぐできること」に移行します。さほど専門性の高いことでなければ誰がやっても同水準の作業が短時間でできる世界になったとき、同じお金を出すならこの人に依頼したい!と思わせるような人間力がより一層重要になってきます。
事務はAIにやらせて、人間はなるべくお客様とオフィスで時間・空間を共にするようにした方が良いのかもしれませんね(笑)。
ただ、究極的には「もらっている給料以上の仕事はやっているので、気に入らないならクビにすれば良い。いつだって自分自身で会社でも事業でも作ってやる」と思えるくらいの気概でやれている人というのは、仕事に妙な迫力を帯びるので、クビになりにくいものです。“身構えている時には、死神はやってこない“ので。
――そうしたレベルで仕事のスキルを育てるのはハードルが高そうですね。
メン獄 特にリモートワークが中心になって以降、コンサルタントは「普通こう考えて動く」といった暗黙の了解を共有する場が奪われてしまった。また、直接的な物言いをするとハラスメントと受け止められかねないこともあり、若いスタッフとのコミュニケーションを面倒臭く感じてしまう中間層が増えたことが、人材育成という観点からは大きなチャレンジになっています。
2009年に私が業界最大手の会社に入社した頃は、幸か不幸かハードな長時間労働が健在で、上司から一挙一動のレベルで徹底的にフィードバックをもらうことができました。ありとあらゆるタイプの失敗で地雷を踏み、上司や先輩たちにしごかれ、自分の不甲斐なさに泣くこともありました。
でもそんな中で掴んだスキルは、「自分はここまでならやれる」という絶対的な自信になり、逆境のなかでも己のメンタルを守る盾となってくれた。
2023.05.11(木)
文=メン獄