『シン・仮面ライダー』で、仮面ライダーを演じた池松壮亮、緑川ルリ子を演じた浜辺美波、仮面ライダー第2号を演じた柄本佑の3人。アクションシーンの苦労を聞いた――。

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「仮面ライダーのスーツって、戦闘用の姿なのに…」

浜辺 池松さんが高いところから着地するカットを撮っていらっしゃる時は「アクション、すごい!」と思いながらいつも見ていました。

池松 でも、浜辺さんも身体能力高いなあと思いましたよ。身体の感覚がよいなあと。

浜辺 いえいえ……。ガンアクションの撮影も緊張しすぎて「顔が白いぞ」と言われたくらいで(笑)。簡単にアクションがOKにならないのを見ていたので「当たって砕けろ!」の気持ちで挑んだらギリギリOKがもらえました。庵野監督に褒めてもらえたので「あー、よかった!」って(笑)。いい思い出になりました。

柄本 仮面ライダーのスーツって、戦闘用の姿なのに、スーツを着ていないほうが圧倒的に動きやすいんだよね(笑)。

池松 ここだけの秘密ですが、あれを着ると、戦闘能力が5倍くらい落ちます(笑)。

 

どうして“ライダーのスーツ”がそういう“仕様”なのかというと…

柄本 レザー製のスーツだから、着て動くと足があまり上がらなかったりもして。

浜辺 質感にすごくこだわっているので、本物のレザーを使っているんですよね。

柄本 アクション用とお芝居用が別にあって、アクション用は少し動きやすくて伸びのいいレザーだったりするんだけど……まあたいへんでした。

池松 たいへんなことばかりでしたが、産みの苦しみを味わったぶんだけ映っているものに期待してしまいます。ともに戦った浜辺さん、佑さんと、たくさんのスタッフたちと、そして庵野さんと。その日々は誰にも奪えない実感として残っています。どんな庵野作品が出来上がって、どんな戦いの記録が映っているのか、僕たちも楽しみにしています。

撮影=佐藤亘、取材・文=幕田けいた
(C)石森プロ・東映/2023「シン・仮面ライダー」製作委員会

2023.05.04(木)
取材・文=幕田けいた
撮影=佐藤 亘