時を重ねてさらに魅力を増す、羨望のリトリート

◆星のや竹富島

 沖縄の島々のなかでも、とりわけ古くからの文化を色濃く残し、それを大切に守り継いできた竹富島。この島の鬱蒼とした林に隠されるようにして、リゾートの “集落” が広がる星のや竹富島は、開業から10余年の歳月を重ね、地域との絆を深めてきました。

 島の伝統様式を踏襲した建築は風格を増し、今やそれは旅人たちにとっての原風景。訪れるたびに「またここに帰ってきた……」という感激とともに、心がゆるやかにほどけていくのを実感することでしょう。

 のどかなこの楽園での滞在は、島の暮らしのように、静かに穏やかに過ぎていきます。そこには、奇をてらった豪奢な演出はありません。朝・夕の澄んだ空気のなかで深呼吸したり、敷地内に自生する草花を摘んで草木染めのハガキを作ったり……。そんなささやかな体験にこそ、至福が詰まっているのです。

 また、夜の静寂に包まれながら、ダイニングで味わうフランス料理「琉球ヌーヴェル」も幸福な美食体験。権威ある国際料理コンクールで高く評価された中洲達郎総料理長が開業時より厨房を率い、島の食材への造詣とリスペクトは年を追うごとに深化。その美味しさは、立ち止まることなく常に進化を遂げています。

 そして、星のや竹富島では滞在をいっそう思い出深いものにする特別な体験も用意します。今春に注目は、沖縄の伝統的な木造船・サバニに乗り、幻想的な夕日を堪能するプラン「いりばなの思い出」。

 干潮時にのみ姿を現す幻の砂浜に上陸して、鏡のように夕空を映す海を眺めながらカクテルを味わい、その感動の余韻を胸にダイニングで堪能するディナーは格別です。

 さらにこの夏には、燦燦と輝く星空の下、見晴台を貸し切りにしての「群星(むりかぶし)ディナー」、朝のコンドイ浜で浮遊浴と命草(ぬちぐさ)たっぷりの朝食などを満喫する「海(いん)ぬククルムチ」が登場。

 いずれも星のや竹富島でしか実現できない唯一無二のプログラム。上質な島時間を存分に体感できます。

星のや竹富島

所在地 沖縄県八重山郡竹富町竹富 
電話番号 050-3134-8091(星のや総合予約)
宿泊料金 1室・1泊 112,000円~(通常2泊より。食事・体験プラン別)
アクセス 竹富港より送迎あり(竹富港へは石垣港よりフェリーで約10分)
https://hoshinoya.com/taketomijima/

2023.04.27(木)
文=呉屋沙織(小浜島)、矢野詔次郎(竹富島、西表島)
写真=鈴木七絵(竹富島、西表島)

CREA Traveller 2023 vol.02
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。