待ちに待ったハワイへの旅。行きたいところ、体験したいことがいっぱいあるなかで、ぜひネイバーアイランドにも出かけてみたい。
のんびり昔ながらのハワイらしさを満喫するなら、断然ハワイ島=ビッグアイランドがおすすめだ。
人はなぜハワイ島に魅せられるのか─その秘密を探しに、島で暮らす人々の家を訪ねてみた。注目の人・ファミリーを3回に渡りご紹介。
一本のオイルに詰まった森林再生への思い
◆リーさんご一家(ロイヤルハワイアン・サンダルウッド)/The Lee Family(ROYAL HAWAIIAN SANDALWOOD)

キャプテンクックの街から山道を進むこと約40分。携帯電波も届かない山奥で、ハワイ伝統のサンダルウッド(白檀)の復活に取り組むファミリーがいる。ウェイド・リーさんの一家だ。
「これが“イリアヒ(ハワイアン・サンダルウッド)”の花。2年に一度、花を咲かせます」と話すウェイドさん。

古代よりイリアヒは香木として親しまれ、薬用としても人々にとって欠かせないものだったという。だが、18世紀に入り貿易商人がその価値に着目すると乱伐が行われ、さらに島の開発も進んで、イリアヒが育つ原始の森は壊滅状態に。
そこでハワイ古来の森を再生したいとウェイドさんは約3,000エーカーもの土地を購入し、イリアヒをはじめ、コアやオヒアなどハワイ固有種の植林を開始したのだ。現在までにその数は50万本以上にものぼる。

「イリアヒのオイルが採れるのは、1本の木のわずか1.3%。森を守るため、寿命を終えた木のみを使います」
しかも、農園で栽培されるものと違い、木を傷つけたりせず、自然のままストレスなく育ったイリアヒのみを使用。

アメリカで唯一オーガニック認証を受けており、そのアロマは集中力を高め、抗酸化物質を多く含むことからアンチエイジングなどの効能も豊か。そして、その売り上げが、今後も続く森の再生活動に還元されるのだ。

ハワイ王室の末裔という高貴な生まれのウェイドさん。“ロイヤル”と冠したオイルには、活動に携る人々の高く貴い志が凝縮しているのだ。

Royal Hawaiian Sandalwood(ロイヤル・ハワイアン・サンダルウッド)
http://hawaiisandalwood.com/
●ロイヤルハワイアンサンダルウッドの製品は、現在、カイルア・コナの「TASTY KONA」で購入できる。
TASTY KONA
所在地 75-5725 Ali'i Dr., B101 Kailua-Kona
電話番号 808 430 9233
https://www.tastykona.com/

Column
CREA Traveller
文藝春秋が発行するラグジュアリートラベルマガジン「CREA Traveller」の公式サイト。国内外の憧れのデスティネーションの魅力と、ハイクオリティな旅の情報をお届けします。
2023.03.20(月)
文=矢野詔次郎
撮影=熊谷 晃
コーディネート=宇都克仁
CREA Traveller 2023 vol.1
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。