2月9日から12日にかけて、アメリカのコロラド・スプリングスで行われたフィギュアスケート四大陸選手権。この舞台で、日本勢が2つの「特別な」金メダルを獲得する快挙を成し遂げた(全2回の1回目/#2へ続く)。

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年間グランドスラムに王手「日本勢初の金」

「日本勢初V」を成し遂げたのは“りくりゅう”の愛称で知られるペアの三浦璃来・木原龍一組。今季、グランプリファイナルで優勝するなど世界トップと言ってさしつかえない成績を残してきた2人。この大会でも優勝の本命とされるなか、重圧を撥ね除け期待通りに他を圧倒。本大会のペア種目では日本勢初の金を獲得した。

 フリーの演技後、木原は膝から崩れ落ちるように倒れこんだ。

「感極まったかと思いきや、木原いわく『シンプルに空気が薄かった。本当にきつかった』とのことでした。標高1800メートルの高地の会場で開催された今大会は、酸素の薄さに苦しむ選手が多かった。木原もその影響を免れなかったのですが、木原の言葉を聞いた三浦は『龍一君はいつも倒れこむんですけど』とすかさず応じ、記者から笑いがこぼれていました」(フィギュア担当記者)

 絶妙な合いの手が象徴するように、2人が時間をかけて培ってきたコンビネーションこそ最大の武器。環境の変化やプレッシャーにも容易に崩れない、絆の強さを証明してみせた栄冠だった。

(#2へ続く)

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2023.02.23(木)
文=「週刊文春」編集部