この記事の連載
- 一色洋平インタビュー#1
- 一色洋平インタビュー#2
荒川弘さんの人気マンガ『鋼の錬金術師』(ハガレン)が初めて舞台化されます。『鋼の錬金術師』は、最愛の母を生き返らせるために「人体錬成」という禁忌を犯した兄弟が、その代償に失った自分たちの体を取り戻しにいく物語です。主役のエドワード・エルリックをダブルキャストで演じる一色洋平さんに、お話をお聞きしました。
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小学生のときから大ファンだった作品
――一色さんは小学生の時から作品の大ファンだったそうですね。主人公のエドワード・エルリック(エド)を演じる意気込みを、あらためてお聞かせください。
小学生の頃は、友達と毎日ハガレンごっこをして遊んでいたくらい大好きな作品でした。だから、エド役に決まって衣裳合わせをした時は変な汗をいっぱいかきました(笑)。
ハガレンごっこでは、エド役は早い者勝ちだったので、エンヴィー役になることもあれば、大佐役になることもあったんですけど、やっぱりエド役を演じている時が一番楽しかったですね。
――小学生時代の一色さんにとって、「エドを演じる」というのはどういうことでしたか?
想像力豊かな友達が多かったので、地面や壁に手を合わせて「錬成」のポーズをすると、「いま何を錬成したの?」って突っ込まれるんですよ。小学生の遊びですけど、意思をもって錬成することに、当時やりがいというか喜びを感じていました。あとは「エドを演るならちゃんと演れ」という厳しい友達が多かったので、エドを演じる時は覚悟を持って演じていたように思います。
――小学生時代に演じていたエドと比べて、ご自身でいちばん変化を感じるのはどのような部分ですか?
小学生の頃は、とにかく錬成が楽しかったので、手が真っ赤になるほど錬成のポーズで両手を合わせていたんですよね。たとえば「いま岩の壁を作ったから、もうこっちに来れないからな!」というように、どちらかというと戦いのために錬成していた部分が多かったと思います。
でも、原作の後半で、エドが両手を合わせて錬成している姿を「まるで神への祈りじゃないか」と表現するシーンがあるように、錬成は戦いのためだけではなく、祈りでもあるんです。今回はそこを舞台で表現できるように、かなり意識しました。
2023.02.16(木)
文=相澤洋美
撮影=釜谷洋史