Q.3 陣痛から出産までどのくらい時間がかかるもの?

A.3 初産婦でおよそ12~17時間かかるのが一般的

 赤ちゃんは、何枚かの骨でできている頭蓋骨を重ね合わせて頭を小さくして、子宮収縮に合わせて狭い産道を押し広げて進んでいきます。そのときに感じる痛みが陣痛です。

 陣痛が始まってから分娩室に入るまでは、初産婦でおよそ10~13時間、経産婦でおよそ6~8時間と言われています。しかし、初産にもかかわらず6時間のスピード出産の人もいれば、なかなか陣痛が進まず24時間以上かかる人もいるなど、かなり個人差があります。

 一般的に、子宮口が全開大になるまでは病室または陣痛室で過ごし、陣痛が1~2分間隔になったら分娩室に移動します。分娩室に入ってから出産までは初産婦でおよそ2~4時間、経産婦でおよそ1~2時間。しかし、自然分娩で生みたいと思っていても、産道が広がりにくかったり微弱陣痛が続いたりすると母子ともに危険な状態になり、緊急帝王切開となる場合もあります。お産はなにが起こるかわからない、ということも覚えておいてください。

【教えてくれたのは】
笠井靖代さん (日本赤十字社医療センター 産婦人科医師)

日本赤十字社医療センター第3産婦人科部長。医学博士、産婦人科専門医、臨床遺伝専門医。専門は周産期学や臨床遺伝学など。著書に『35歳からのはじめての妊娠・出産』(ナツメ社)がある。NHKの子育て情報番組『すくすく子育て』にもコメンテーターとして出演中。

赤山美智代さん (日本赤十字社医療センター 助産師)
日本赤十字社医療センター産科外来・小児保健部看護師長。助産師として、大学病院、総合病院、助産院で勤務し、これまでにたくさんの女性の出産介助や、妊娠期、産後期の保健指導に携わってきた。また、助産師教育にも力を入れており、多くの助産師を育てている。

2013.11.19(火)
text:Kayuki Senoo
photograph:SvetlanaFedoseyeva/shutterstock.com