Q.3 つわりで食事がほとんどとれない……
A.3 脱水にさえ注意すれば、食べられるものだけ食べていて大丈夫
つわりによって食べ物の好みが妊娠前と変わることがあります。それまで好きだったものが急に食べられなくなることもあれば、逆に、苦手だったものばかり食べたくなったり、トマトやアイスクリームなど特定のものだけを食べたくなることも。
思うように食事がとれないと赤ちゃんの成長が心配になりますが、この時期の赤ちゃんは母体に蓄えられた栄養だけで十分育ちますから、食事が偏っていても赤ちゃんの成長に影響が出ることはありません。栄養バランスは気にせず、食べたいものを食べられるときに食べましょう。ただ、脱水症状を起こさないよう水分はできるだけ多めにとるように心がけて。また、つわりは朝起きたときや空腹のときに感じることが多いので、1回に食べる量を少なくして小分けにして食べたり、横になったままつまめるクラッカーなどを枕元に置いておくのもおすすめです。
つわりの間は、ごはんの炊きあがるにおいで吐き気をもよおすこともあり、キッチンに立つのもつらいことがあります。つわりの大変さをご主人に理解してもらい、できるだけ家事を手伝ってもらいながら乗り切りましょう。
【教えてくれたのは】
笠井靖代さん (日本赤十字社医療センター 産婦人科医師)
日本赤十字社医療センター第3産婦人科部長。医学博士、産婦人科専門医、臨床遺伝専門医。専門は周産期学や臨床遺伝学など。著書に『35歳からのはじめての妊娠・出産』(ナツメ社)がある。NHKの子育て情報番組『すくすく子育て』にもコメンテーターとして出演中。
赤山美智代さん (日本赤十字社医療センター 助産師)
日本赤十字社医療センター産科外来・小児保健部看護師長。助産師として、大学病院、総合病院、助産院で勤務し、これまでにたくさんの女性の出産介助や、妊娠期、産後期の保健指導に携わってきた。また、助産師教育にも力を入れており、多くの助産師を育てている。
2013.11.05(火)
text:Kayuki Senoo
photograph:Gayvoronskaya_Yana/shutterstock.com