2021年に45周年を迎えた「ハッピーターン」。1976年の発売から“洋風お煎餅のパイオニア”として、確固たる地位を築き上げている。なかには変わり種のフレーバーや知られざる限定発売品もあり、味のバリエーションが豊富なのも人気だ。

 今回はそんな「ハッピーターン」の製造・販売元である亀田製菓株式会社の「ハッピーターン」ブランド担当・林克昭氏に、ハッピーターンが発売されてからの歴史や変遷、商品のこだわり、美味しさの秘密について話を聞いた。(全2回の1回目/2回目に続く)

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ハッピーターンは予想外のロングセラーだった

――ハッピーターンは2021年に45周年を迎えましたね。

林克昭さん(以下、林) ありがとうございます。ハッピーターンは1976年に発売し、2022年で46年目になりました。発売当時は、亀田製菓が設立してまだ20年ほどという時代で、会社自体にロングセラーブランドというものもありませんでした。

 だから毎年地道に頑張って、少しずつ売上を伸ばしていったという感じですね。お客様の声を聞きながら時代にあったリニューアルを繰り返し、じわじわと売れ行きが伸びていき、気づいたらお茶の間で人気の商品となりました。

 今は亀田製菓の米菓ブランドの中でも、売上2位の位置づけになっています。現在までの販売累計数については公表していないのですが、インテージ社の調査によると、他社を含めた米菓ブランドの中で2021年の売上が金額ベースで第2位となっています(※)。当時の担当者は、まさかこんなにロングセラーになると思っていなかったのではないでしょうか。

※出典:株式会社インテージSRI+®(全国小売店パネル調査) 煎餅・あられ 2021年1月~2021年12月ブランド別累計売上金額

――ハッピーターンが誕生した背景は?

 

 発売当時は、第1次オイルショックが発生し、不景気な時代でした。そんな不景気で暗い雰囲気が少しでも明るくなってほしい、そしてお客様に幸せをお届けしたいという思いで、ハッピーターンは開発されました。

2022.11.08(火)
文=永見 薫