そして、遂にスポニチの記者さんをYouTubeの反省会チャンネルに呼び出したのだが、スポニチの記者さんもお茶目で、ナジャさんが嫌がっている写真を大きく伸ばして額縁に入れてプレゼントした。スポニチさんも全然反省していなくて、そのやりとりが最高に面白いからぜひ見てほしい。
ナジャさんのいいところは、くだらなくてしょうもないことをうじうじ言っているところ。ナジャさんも僕と同じく器が小さいなと思うけれど、それが想定外の事態を巻き起こして面白い。写真の写りをなんとかしてくれってガチで頼むことでスポニチがあんなに粋なボケをしてくるなんて想像もしなかった。
あるとき、『5時に夢中!』で「芸能人で総理大臣にするなら誰?」という話題でナジャ・グランディーバさんを挙げた。総理大臣なんて官僚が決めたことやるだけやし、見た目のインパクトでいいやん。世界の外交の場に日本の総理大臣として女装家が来たら世界もぶったまげるだろうという冗談込みの意見だった。
その回を聞いたナジャさんがたいそう喜んでくれて、ご自身のラジオ番組でそのことを報告していたのを僕は知っている。そのきっかけで一度だけ『ナジャとブラスのななめうえラジオ』という番組を文化放送でやったことがある。そこでナジャさんが「私6割か、いっても7割の力しか絶対出せへんねん。どうせ完璧にできへんし6割くらい満足したら100点や」と言ってたが、このゆるい感じ好きだわ。まさにグレーゾーンを生きてる感じがする。
女優・江口のりこが信用できる理由
最近、テレビを見ていていいなと思ったのは、女優の江口のりこさんだ。朝の情報番組に出演した彼女は、カンペに書いてある自身の出演するドラマの番宣情報を嫌々読み上げ、司会者の質問にも「あー、はい、そうっすねー」と、心ここにあらずという感じで答えていた。
嫌な印象は与えないのだが、仕方なく番宣のために朝から稼働しているんだなということがありありと伝わった。番組が終わるときには、「あー! やっと終わったー! 」と言ってしまい、司会者も笑っていた。こういう嫌いなことに嫌いだという態度をとれる人は、信用できると思う。
言葉ではいくらでも嘘をつけるが、行動や態度に表れることは言葉よりも重い。その江口さんの等身大の自然な態度に、逆に好感を持てたし、僕はこういう人が好きだ。言葉だけでかっこいいことを言おうとしている人は、大体中身はなく、大したことがないことを知っているから。僕もたまにやっちゃうけどね。
とにかく、過去に不倫をしていようが、スキャンダルがあろうが、“大体いい人〞ならいいじゃんと僕は思う。日本人としてあるべき姿、それだってオールモストで良いねん。
2022.10.26(水)
文=小原ブラス