日本を代表するファッションデザイナーの森英恵さんが、8月11日に東京都内の自宅で亡くなった。96歳。

 皇后雅子さまのご婚儀に際したローブデコルテを手がけた森さんは、「文藝春秋」2019年11月号で「現役の外交官として活躍されていた方が皇室に入られるという話題で、皇室がにわかに身近に感じられたあの頃。ご成婚パレードの日、上衣のえり元にあしらった花びらが風にふわりと揺れて、雅子さまの笑顔が美しく輝きました。皇太子殿下と爽やかなカップルで、明るい希望を感じました」と当時の思い出を語っている。「文藝春秋」編集部による、雅子さまのファッションを振り返った記事を再公開する(初出:2021/12/2 年齢・肩書き等は公開時のまま)。

◆ ◆ ◆

 12月1日、天皇皇后両陛下の長女・愛子さまはご成年の日を迎えられた。

2001年5月に雅子さまのご懐妊発表

 2001年5月に雅子さまのご懐妊が正式に発表され、多くの国民が愛子さまのご誕生を心待ちにしていた。

 ご公務を着実にこなしながら、プライベートの時間をお互いの趣味で楽しまれ、雅子さまは天皇陛下と励ましあい、いたわりあって、仲睦まじく、温かい家庭を築いてこられた。

 

ご婚儀のローブデコルテ秘話

 外交官の家に生まれ、両親の愛情と2人の妹に囲まれて育った雅子さま。

1993年1月8日、皇太子妃内定の直後、皇室会議用の写真を帝国ホテルで撮影 宮内庁提供

 皇室の一員となられた1993年6月9日、ご婚儀に際した雅子さまのローブデコルテを手がけたデザイナーの森英恵氏は、「文藝春秋」2019年11月号で当時をこう振り返っている。

1993年6月9日、「結婚の儀」の日のローブデコルテ姿 ©JMPA

「当時の皇太子殿下のご婚儀に際し、雅子さまのローブデコルテをおつくりしたのは光栄なことでした。いずれは皇后陛下になられるお立場の方、私の仕事人生の中でも大きな思い出です。デザイン画を何枚か用意して仮縫いをさせていただきました。出来上がりを気に入って下さり心に残っています」

 

雅子さまの笑顔が美しく輝いた瞬間

「現役の外交官として活躍されていた方が皇室に入られるという話題で、皇室がにわかに身近に感じられたあの頃。ご成婚パレードの日、上衣のえり元にあしらった花びらが風にふわりと揺れて、雅子さまの笑顔が美しく輝きました。皇太子殿下と爽やかなカップルで、明るい希望を感じました。

上衣のえり元にあしらった花びらが風にふわりと揺れた。輝く笑顔の雅子さま ©JMPA

 世界が目まぐるしく変わる今、日本の伝統と歴史を背負っておられる両陛下のお立場は大変なこともあろうかと思います。でも、インターナショナルな教育を受けられているお二方が、日本の独特の優雅さを、今の時代に表現して下さっているのはありがたいと思います。新しい日本の香りとでもいえそうな品格が醸し出されています」(同前)

森英恵さんの手記「新天皇・雅子皇后の素顔『ご婚儀のローブデコルテ』」全文は文藝春秋digitalでご覧いただけます。

2022.08.24(水)
文=「文藝春秋」編集部