洛中から北へ。
“海の京都”とも呼ばれる日本海に面した丹後半島には独特の食文化が息づいている。
海と山の幸、上質な水や発酵文化が育んだ丹後ならではの美食。その原風景を感じる丹後市・弥栄町エリアのおすすめ3軒をご紹介。
薪火という味方を手に入れ、食材を生かしきる
◆魚菜料理 縄屋(さかなりょうり なわや)

2020年の改装を経て、カウンターのどの席に座っても、眺めることができる薪の窯が主役の日本料理店が完成。

「お造りとおしのぎ以外は、ほぼ薪火を使った料理。どの段階の火を使うか見極めるのも面白い」という吉岡さんの言葉からも、料理を楽しんでいることが伝わってくる。

一斉スタートとなったコースは、米が炊き上がる瞬間の、煮えばなのご飯から。京丹後産コシヒカリの甘みは、これから始まる料理への期待をかきたてる。


サザエの身を射込んだ万願寺唐辛子、アラ出汁の煮凝りをかけたスズキのお造りと、まず目を喜ばせ、続いて奥深い味わいに舌も嬉しい料理が続く。


「せっかくの食材を無駄にすることなく使い切りたい」という言葉通り、食材と、それらを育んだ丹後への愛情が伝わる料理が見事だ。

魚菜料理 縄屋(さかなりょうり なわや)
所在地 京都府京丹後市弥栄町黒部2517
電話番号 0772-65-2127
営業時間 12:00(11:45 入店)~、18:30(18:15 入店)~ 各一斉スタート
定休日 火・水曜、不定休
https://www.nawaya-restaurant.com/
※完全予約制。
2022.08.16(火)
Text=Mako Yamato
Photographs=Asami Enomoto、Makoto Ito
Cooperation=Kyoto Tourism Federation
CREA Traveller 2022 vol.3
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。