これは批判ではなく、かなり意図的に軸がぶれないように細部にまで気をつかっているということだ。あの第1回放送時に見たときの、自分だけの「見つけたオモチャ」がいつまでも変わらないことの安心感が、『トリック』の大きな魅力であることに改めて気付かされた。


※「わたしの名前は山田奈緒子。今を時めく超実力派のマジシャンだ」のセリフは第1話には登場しない。その後、エピソードや小ネタを入れながら変化はするが、エピソード毎、映画版、スペシャル版ではかならずチャイナドレス姿の山田奈緒子がこのモノローグとともに登場するのが定番となっている。

【参考資料】
『TRICK完全マニュアル』光進社
『キネマ旬報 2002年11月下旬号』キネマ旬報社
『キネマ旬報 2006年6月下旬号』キネマ旬報社
『さよなら!トリック公式パーフェクトBOOK』KADOKAWA
『別冊ザテレビジョン 連ドラ10年史』角川書店
『日本科学技術大学教授上田次郎のどんと来い、超常現象』学習研究社
『日本科学技術大学教授上田次郎のなぜベストを尽くさないのか』学習研究社
『超天才マジシャン山田奈緒子の全部まるっとお見通しだ!』ワニブックス
『トリック大感謝祭オフィシャルBOOK』宝島社
『堤っ』角川書店
『帰天城の謎』講談社
仲間由紀恵 むちゃくちゃだった「TRICK」の現場「死ぬんじゃないかな?と思うこといっぱい」(スポニチ・2021年6月24日)

2022.05.12(木)
文=すずき たけし