中秋の名月。「お月見」で喜びを分かち合おう

ピエール・エルメのマカロンをお月見団子に見立ててみました

 毎年めぐる旧暦8月15日の満月を、“中秋の名月”と呼び、日本では豊作を祝い、万物の営みに感謝を捧げる「お月見」をする習慣があります。今年はそれが9月19日に当たります。新月から数えて、約14日間。満月は植物の成長になぞらえると、「開花」を象徴します。心静かに自分と向き合う新月に対し、満月はどこか祝祭ムードで、人と喜びを共有したいときです。ぜひ今月の満月の日(中秋の名月)は、お月見をしてみませんか? かつて「お月見」といえば、ススキを飾り、丸い満月にちなんだお団子や里芋、クリなどをいただいたものですが、もっと自由に「月」から連想を飛ばして、オリジナリティあふれるお月見パーティを演出してみてください。

 これを機会に、満月の日は、大切な人と心豊かに過ごす日と決めてみてはどうでしょう。満月の日は、いつもに比べてちょっと興奮状態になりやすいので、「満月の日は人と争わない、そして許し合う」をモットーに過ごすのもおすすめです。

 満月が過ぎると、月の出は日増しに遅くなり、月が少しずつ欠けていくのがわかります。約7日後の下弦の月(欠けていく半月)の頃になると、夜中を過ぎないと月を見ることができなくなります。

 このように約1カ月かけて月を意識する生活を続けてみると、自然の移り変わりに寄り添う月のカレンダーが、私たちの身も心も豊かにしてくれることを実感できるはず。

 あなたが見上げる月を、世界のどこかで同じように眺める人がいる。

 そう考えると、心の中にポッと明かりが灯ります。これから月の初めに、月をめぐるさまざまなお話を、みなさんにお届けしたいと思います。

Column

岡本翔子の「月」にまつわる暮らしの手帖

「岡本翔子の日めくりMoon Calendar」を連載中の岡本翔子さん。このコラムでは毎月1日に、「月」を身近に感じながら、季節の移ろいをこまやかに感じ取り、日々の暮らしを豊かに営むためのヒントをご紹介します。

2013.09.01(日)