前篇、中篇に続く後篇では、「界 別府」の周辺にある立ち寄りスポットを中心にご案内します。「血の池地獄」をはじめとする地獄めぐりは、地球の鼓動を感じる別府観光の代表格。歴史ある温泉街を歩きながら、別府の手仕事に出合えるセレクトショップを訪ねたり、湯治場の風情を今に残す鉄輪エリアのユニークなカフェも見逃せません。


もくもくと立ち昇る湯けむり眺望 別府の街を体感する極上スポット

 鉄輪(かんなわ)の高台にある「湯けむり展望台」からは、湯けむりがもくもくと立ち上がる温泉場の街並みと、その奥にそびえる鶴見岳、太平山(扇山)などを一望できます。これほど多くの湯けむりが立ち上る景色は、日本一の湧出量を誇る別府ならでは。

 毎年4月上旬に開催される「別府八湯温泉まつり」では、市内の多くの共同温泉が無料開放され、大平山では「扇山火まつり」を開催。山一面に広がる炎が別府の夕空を焦がす、雄大な光景を見ることができます。

湯けむり展望台

大分県別府市鉄輪8組(ロイヤルタウン大観山)
https://www.gokuraku-jigoku-beppu.com/entries/lookout-spot

別府八湯温泉まつり
http://beppu-event.jp/onsenmatsuri/index.html

 別府八湯の中でも、とりわけ自然湧出の源泉(=地獄)が多いことで知られる鉄輪・亀川エリア。噴気・熱泥・熱湯などがあちこちから噴出し、古くは人が近寄ることさえできない場所だったとか。

 それが湯治場として整備され、観光客が増えていくのと同時に、地獄見物も盛んになりました。数ある地獄のうち、もっともインパクトのある「血の池地獄」は、いわば「赤い熱泥の池」。

 池一面が赤く染まって見えるのは、地下の高温・高圧下で自然に化学反応を起こし生じた酸化鉄、酸化マグネシウムなどを含んだ赤い熱泥が地層から噴出し、堆積するためだそうです。

血の池地獄

所在地 大分県別府市野田778
フリーダイヤル 0120-459-554
営業時間 8:00~17:00
定休日 無休
https://chinoike.com/

2022.03.31(木)
文=伊藤由起
写真=榎本麻美