人間探究派の兄と動物探究派の弟
水と人間社会との関わりに関心を持つ兄の徳仁と、動物に関心を持つ弟の文仁をあえて分ければ、「人間探究派」と「動物探究派」に分類できるかもしれない。さらには、文仁の研究は、昭和天皇のヒドロゾア研究、平成の天皇のハゼ分類と同傾向の生物分類学に関わり、文仁の研究のほうが、むしろ昭和天皇以降の天皇の研究の流れに近い。
徳仁も動物好きであるが、道や水運への関心もあり、そこに将来の天皇たるべき自覚が混在して、水と人間社会の研究にテーマが絞られていったようだ。
【前編を読む】〈新種10種を発見〉公務が最優先で、研究時間が限られていることも影響? 上皇陛下はなぜ研究テーマに“ハゼ”を選んだのか
2022.03.16(水)
文=小田部雄次