第1位 秘密のリングジュエリー(2003年放送『明日のナージャ』)

 舞台は20世紀初頭のヨーロッパ。孤児院育ちのナージャはある日、「お母さんは生きているかもしれない」と告げられる。手掛かりとなる形見のブローチと日記帳、ドレスを携えて、旅芸人の一員として世界各国をめぐりながら母親を知る人を訪ね歩く。

「秘密のリングジュエリー」はナージャが胸元にブローチとして身に着けているアイテムで、母親の数少ない形見の一つでもある。中にはリングが入っており、宝石を回転させるとナージャの出生の秘密に関係する紋章が現れるのだ。

「開閉式になっているのですが、赤いフタがぷっくりとしていて、いちごみたいに見えるのが特徴です。フタを開けると中はベロア風の布張りで、ジュエリーケースのようになっています。指輪も取り外し可能で、回転させると紋章が出て来ます。物語の重要なアイテムが忠実に再現されていることと、デザインの可愛さで1位に選びました」

 

◆魔女っこの不文律を破る「変わり種」部門

 女児向けアニメでは「変身と言えばコンパクト、攻撃に使うのはステッキと、アイテムの役割は決まっていることが多いんです」。しかし中にはそんな不文律をあえて破る設定のアイテムもあるようだ。

「私はアイテムはその設定ごと愛でるので、そういった珍しいストーリーがついているとときめくんです。ここではそんな変わり種アイテムをご紹介します」

第5位 ひみつのコンパクト(1992年放送『ママは小学4年生』)

 ある嵐の夜、小学4年生の水木なつみのもとに赤ちゃんとコンパクトが突然現れる。コンパクトから聞こえてきた声の主は15年後の自分であり、赤ちゃんは自分が産んだ娘だという。なつみは赤ちゃんに「みらい」と名付け、未来に帰れる日まで育てることを決心する。

「ひみつのコンパクト」はなつみが未来の自分と通信するためのアイテム。みらいが泣き出した時や、危険が迫った時に警報がなる。さらに鏡からは星型の光が飛び出し、この光を浴びた物体の時間を止めることもできる。

2022.03.04(金)
文=「文春オンライン」特集班