知られざる沖縄最強のパワースポット、大石林山
琉球列島ができる前の2億5000万年前、海底で形成された石灰岩が隆起し、長い年月をかけて浸食された、世界最北の熱帯カルスト地形「大石林山」。ギザギザとした石灰岩が、巨大な石塊をなしたり、森の中に点在したり、世にも不思議な光景が広がっています。
中でも印象的なのが、4つの岩山が連なる「安須杜(あしむい)」。沖縄の正史とされる『中山世鑑』において、沖縄の島建ての神様アマミキヨが最初に降り立った聖地とされています。
琉球王国時代には、安須社へ王家の繁栄、五穀豊穣、航海安全を祈るために、首里からわざわざお水取りに訪れたという、実は沖縄最強のパワースポットです。
敷地内の拝所(御願所)の数は40とも、50ともいわれ、中には限られた人しか入れないところや、断崖絶壁など訪れることさえ危険なところもあるそう。
おもなコースは4つ。A奇岩・巨石コース(1000メートル/約35分)、B美ら海展望台コース(900メートル/約30分)、Cバリアフリーコース(600メートル/約20分)、Dガジュマル・森林コース(900メートル/約30分)。
おすすめは、Bコースに加え、地図に載っていない場所へも分け入るスピリチュアルガイドツアー! 入口の「祈り石」に触れながら、これから訪問することを挨拶し、いざ、森の中へ。
この森では、訪れた人に不思議なことが起きるといいます。たとえ特別なことが起きなくても、木漏れ日の中を歩いているだけでも森に守られているような、穏やかな気分。
祭壇のような音楽にまつわる岩に祈り、「美ら海展望台ステージ」で辺戸岬やヨロン島を一望。通り抜けられる穴が開いた「生まれ変わりの石」を3回まわって生まれ変わったつもりになり、子宝に恵まれるという「骨盤石」に一応、座ってみたり。
圧巻は「悟空岩」。下から見上げても迫力ですが、上から本部半島へと続く海岸線や岩山の稜線、びっしりと木々に覆われた森が眼下に広がり、天上から見下ろしているよう。
10人の大人が両手を広げても足りなさそうな、巨大なガジュマロの木も見て大満足です。
実は、後になって不思議なことが起きていることが判明。コース中の録音が、森に入ったところから無音になっていました。メモを取っていなかったので、あちゃー。でも感動の記憶は、メモがなくてもくっきり残っています。
やんばる国立公園 大石林山
所在地 沖縄県国頭郡国頭村宜名真1241
電話番号 0980-41-8117
料金 スピリチュアルガイドツアー大人4000円、子供(4~14歳)2500円
https://www.sekirinzan.com/
2022.01.22(土)
文・撮影=古関千恵子