#238 Tottori Sand Dunes
(鳥取砂丘/鳥取県)

「鳥取といえば、砂丘だよね」

 これは、鳥取県民に言ってはいけない言葉らしいです。

「鳥取県は東西約120キロあって、車で軽く2時間はかかるし、東部、中部、西部で言葉も文化も違うし……。鳥取砂丘は東部にあって、県全体としては一部なんです」

 そう教えてくれたのは、民宿でひょんなコトから知り合った、「鳥取生まれ、育ち、在住の“鳥取強火推し”」の蓮さんと、その友人の雫美さん。

 その禁句は口にしなかったものの、もうひとつの地雷をうっかり踏んでしまいました。

「鳥取砂丘は砂丘であって、砂漠じゃありませんよ」

 砂丘は風で運ばれた砂が作る丘であって、諸説あるようですが、砂漠は年間降水量が250ミリ以下、あるいは降水量よりも蒸発量の方が上回っている地域の、砂や礫、岩石の多い荒れた土地のこと。

「砂漠は草も生えないけれど、砂丘は草取りをしなくちゃならないんです」。

 へー、そうだったのかー。

 蓮さんから鳥取砂丘にまつわる、旅のコツなども教えてもらい、いざ、鳥取砂丘へ!

 東西約16キロ、南北約2.4キロ。中心部にあたる、東京ドーム約31個分の146.2ヘクタールが天然記念物に指定されている鳥取砂丘。

 海岸砂丘として、世界でも有数の起伏の激しさ、風紋や砂簾、砂柱など風が生み出す景観、植物の群落など、学術的に貴重な存在です。

2022.01.01(土)
文・撮影=古関千恵子