朝は、鳴き声を聴きながらコーヒーを飲む
――どのくらいから愛着が湧いてきたんですか?
どれくらいやろ? 生まれて3カ月くらいでやってきたんですかね。まだヒナやったんですよ。最初は朝、チュンチュン鳴き声がするのになかなか慣れなかったんですけど、1週間くらい経った頃、ゆ~っくりと好きになってきている自分がいたというか。
――例えば、どんな時に?
ケージから出すとすぐ、僕のところに寄ってくるんです。首や肩にも乗って、ずっと僕から離れない。鳴きながらチョンチョンと跳ねる、求愛ダンスもやってくれる。そういう姿を見ているうちに、だんだん“めちゃくちゃかわいいな、こいつ”って思ってきて……。鳥がこんなにかわいいものやとは知らなかったですね。今までほんまに飼ったことがなかったので。
――小さい頃、動物と暮らした経験はあったんですか?
猫と犬を飼っていたことはあったんですけど、芸人になってからはまったくでしたね。世話をするのが大変やし、泊まりの仕事も多いからほったらかしにしてると心配で、気が気じゃなくなりますからね。
――確かにそうですね。ヨーコちゃんが家に来てから、どんなものを揃えましたか?
一応、久保田が一式を揃えてくれてたんです。けど、全部買い直しました。最初のケージは水色で、部屋の中やと煩わしかったので、あんまり目立たないものにして。鈴とか木とかも買いましたね。
おもちゃもめっちゃ買うてしまうんですけど、ヨーコは新しいおもちゃを入れるとすごく怖がるんです。今入れているおもちゃも、最初入れた時はバタバタと飛び回ってたのであかんかなぁと思ってたんです。けど、徐々に興味を持って、近づいてツンツンと突いて遊んでたりして。
今はたぶん仲間やと思ってるんでしょうね、このおもちゃに体を寄せて寝てますよ。
――かわいいですね。最後まで育てることを決意されてからは、いろいろと調べたりされましたか?
『文鳥の飼い方』っていう本を買いました。その本によると、寒いのが苦手やから、これからの季節は部屋をあったかくしないといけないですし、湿度も気をつけないといけないんですよね。
――餌が外へ散らばらないように、ケージの下のほうは塞いであったりと、ケージの中を工夫されているんですね。
クリアファイルをちょうどいい大きさに自分で切って、麻の紐で留めてます。ケージの中に付けてるのは壺巣っていうんですけど、こういうのを付けておくといいんですって。ちなみに、この壺巣も下についてた台を取って麻紐で結んで上に付けたんです。
――文鳥はNG事項も結構多いんですよね。動物全般にも言えることなのかもしれませんが、刺激臭の強いものはダメですし、タバコや殺虫剤、加熱したフッ素樹脂加工のフライパンとかもダメみたいで。
本当、気をつけないとダメですね。
――一緒に暮らし出してから、生活も随分変わったんじゃないですか?
変わりました。夜は21時くらいにはケージにタオルをかけて、寝させるようにしていて。朝、7~8時くらいには起きて、ケージにかけたタオルを取るんです。そうすると、ヨーコも起きてめちゃくちゃデッカいウンチをしてから鳴き始める。それがルーティンになってますね。
で、僕はその鳴き声を聴きながらコーヒーを飲むんです。鳴き声が心地いいんですよね。
2021.12.27(月)
文=高本亜紀
撮影=末永裕樹
写真=村田秀亮