そしてこの番組が視聴者の心をつかむのも、トークバラエティとしての面白さと同時に、『下妻物語』のようなシスターフッドが見え隠れするからのように思う。

女性芸人と女性アイドルという「対立構造」

 女性芸人と女性アイドル。ともすれば、テレビのバラエティ番組では対立構造に入れられやすい組み合わせかもしれない。だが、『キョコロヒー』においては、ふたりは「お互いの性格はあまり似ていない」と言いつつも、どこかで芸能界という仕事場で戦う同志のような関係性が見える。

 年齢もタイプも立場も異なる、それでも自分に譲れないものがはっきりしている。そんなふたりが日々あった出来事や仕事の悩みについて話しているのを見ると、どこかで、シスターフッド的なものを感じてしまう。

 もちろん「ふたりとも女性だから面白い」と言うつもりはない。ふたりのトーク力があるから成り立つ番組だ。しかしそれでも、女性だからといって恋愛やグルメにばかり興味があるわけではない、仕事の話や日常の悩みを会話するだけでじゅうぶん面白くなる――そんな当たり前のことが、テレビの向こうから、共有される時代になったのだ。そう感じられて、「いい番組だなあ」としみじみ感動してしまう。

疲れていても、なんとなく笑って観てしまう番組

『キョコロヒー』は、水曜深夜に届けられる、芸能界の隅っこに芽生えたシスターフッド番組だ……というと、大げさかもしれない。しかしドラマや映画でも、いわゆる「シスターフッドもの」、つまり女性二人の絆が描かれる物語が広く好まれる時代だ。まさに映画『下妻物語』が公開されてから15年以上経って、バラエティにもその波がやって来たのかもしれない。

 疲れていても、なんとなく笑って観てしまう番組。そして次の週もなんとなく観たくなる番組。そんなトーク番組『キョコロヒー』は、ふたりが自分のキャラそのままで、関係性を育んでいることが伝わってくるからこそ成立しているように思う。

2021.12.01(水)
文=三宅 香帆